内容説明
年齢差・性差の浸潤する社会のなかで、人はどう生き、どのように「老い」を迎えるべきか。この重層的な課題を、フェミニズムやポストモダンの問題を射程にいれ、お互いの年齢や性を拠りどころに奔放に論を重ねたラデイカルな往復書簡。
目次
〈人間〉を超えて
ライフ・サイクル変相
アラビア海の落暉
夏の終わりに
老いのセクシュアリティ
逆光からの照射
子どもの時間
現実との生命的接触
多極化する自我
自由のなかの不自由
時代の気分は老人性
カオスは3
〈着地〉する思想
移動する境界
「いま・ここ」にないものへ
哲学的還暦
Never say“Next time”
〈デカルトの脚注〉という意味
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
27
上野先生:私はドッキリしました。私自身、学生におばあちゃんのライフストーリーを聞き書きしなさい、なんて課題を出したことがあるのですから。私のようなつまらない女の人生に、これまで耳を傾けてくれた人はいなかった。こんなに関心を持って話を聞いてもらったのは生まれて初めてだと涙を流して喜ぶ人もいたのを、いいことをしたと悦にいっていたのですから(10頁~)。今のナラティヴ分析か。西田幾多郎先生の蔵書は、書きこみやアンダーラインが多く、途中で中断。2016/02/17
naok1118
0
上野千鶴子と中村雄二郎の往復書簡。二人とも手紙という形式のやり取りで、対談対話と違う時間感覚で相手の文面を見つつ自分の文面も見つつロジックを組み立てて、さらなる文章に昇華させる。そんなやり取りが目に見えるようで楽しめました。2024/12/07
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