内容説明
19世紀フランス象徴主義の力線上に自らの思想を形成し、その潜流をもっとも今日的なディスクール〈持続〉と〈差異〉に生成させた、アンチロゴスの戦略。ドゥルーズ思想の原点。
目次
差異について
解題・〈差異〉と新しいものの生産
感想・レビュー
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遊動する旧石器人
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1989年7月20日発行。本書は、ベルクソンの哲学が差異の哲学に最大の寄与を齎すはずであるとし、差異そのものが存在し、その差異は新しさとして実現される、差異の実現の哲学であるとドゥルーズが帰結する1冊である。従って、本書の基盤はベルクソンの哲学であり、持続、記憶、エラン・ヴィタール(生の跳躍)の観念関係と進展を規定することを目的とした『ベルクソニズム』よりも先出した論考である。なので、それらの関係は概念の三相であり、それらはそれぞれ、自己との間の差異、差異の様々な程度の共存、差異の文化として示される。2022/09/14