出版社内容情報
民俗学・文化人類学系の特集。ここ数年、増加傾向にあったクマ被害はすでに異次元に達しつつある。クマ被害の問題を思考していくために必要な概念とは「野生」ではないだろうか。この言葉はレヴィ=ストロース以来、人間と対立するどころかその根底をなすものとして一定の理論的負荷を担ってきた。そしてその伝統に立つ人類学の探求は近年、思考のフィールドを意識的に異種間関係へと展開しつつある。本特集ではこうした知見の蓄積を根本に捉えつつも、生態学、地理学、社会学から倫理学、建築、文学に至るまで、さまざまな視点からクマ問題が提起する思想的課題に向き合いたい。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
かふ
16
「野生」というのは熊のことだった。熊との共生というのことでアニミズムの思想。最初に中沢新一とかのインタビュー。昔は里山が境界としてありそこが過疎化して限界集落となって荒廃していくと管理されなくなるという。里山が防御のようなATフィールドであったのだが、それが野生に侵食されているということで本来、人には見せない、死とかを見せているという。それは熊を王とする神話の喪失でもあり、アイヌの神としての熊は犠牲としての存在、殺した熊を崇めることで人は野生とバランスをとっていたということである。中沢新一を読み直そう。2026/06/02
Go Extreme
3
I.狩猟+家畜化:野生との歴史的関わり 狩猟文化=自然への敬意→贈与+交換の原理→動植物の霊性 家畜化=コントロール+利用→人間中心主義の台頭→野生の変容 II.現代の対立:クマ問題にみる危機 都市化+生息域縮小→人間⇔野生動物の遭遇=クマ問題 人間の活動拡大→社会的+倫理的葛藤 III.新たな共生:野生との再交渉 非人間中心主義へ→多種との絡まり合い-人間中心活動→境界の引き直し→適応的管理=多種共生2026/04/26
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