出版社内容情報
本特集は「仮想現実」という発想の系譜を改めて広い視野で辿り直しつつ、メタバースの思想的射程を見極めるとともに、多様な視点からそれがもたらす日常のかたちを想像/創造するための試み。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ex libris 毒餃子
10
メタバースにおけるジェンダー問題が面白かったです。「バ美肉」する理由がよく分かりました。2022/09/11
プロムナード
6
「Kawaii」と生身女性との違いとか、技術・社会・経済の3軸での整理とか(大黒岳彦がわかりやすかった)、前提を踏まえる分にはいいのですが。ねこますから5年、初音ミクから15年も経つ中で、読みたいのはその先なのです。今花開いてるVR文化への言及もほぼなく、VRへの解像度の低い憶測が目立っていた印象です。VR文化を物理現実の価値観で「未熟」「いきではない」と批評するより、そうした価値観の向こう側へEXITしようとする動機や、その両儀的な意味をこそ探るべきでは。仁木稔と木澤佐登志が本書の良心だと感じました。2022/09/19
KJ
1
メタバースで身体性や現実が拡張されるみたいなイメージは持っていたけど、踏み込んだ視点が沢山あって学びに/NFT流行ってるけど所有の概念そもそも要らないのでは、キャラのデフォルト設定が排除を産む、「何でもできるメタバース」でなぜか特定の形式だけ流行っている現状、など/「いき」については、社会の荒波に揉まれたおじさんがバ美肉に至るという過程は相当「いき」なのではと思った、、/技術が社会を一変させるか、相互作用で徐々に万能性が染み出してくるのか、これから世の中がどっち方面で変わっていくのか興味深い
Y.T.
0
「メタバースとヴァーチャル社会」(大黒岳彦)という論文が勉強になった。メタバースには3つの相異なる系譜があり、(1)VRからの系譜、(2)SNSからの系譜、(3)ブロックチェーンの系譜、がある。三者はメタバースに対する力点が異なり、例えば(1)はメタバースを物理現実の汚染から逃れたユートピアとして規定するが、(3)はメタバースを物理現実の経済と同期しそれと相互作用するものとして考える。つまり「(物理)現実に対するあるべき距離感」が両者は異なる。2022/11/16
RK
0
サイバーパンクまで遡って考察するメタバースはたのしい。2023/02/24