出版社内容情報
近年「ルッキズム」という語が人口に膾炙しつつある。他人の容姿を肯定的に評することが相手自身にとっては心理的な暴力でありうることもようやく認識の途についた現代。それは同時に、メイクや美容整形が当事者をエンパワーする可能性を一概に否定しうるのか。人種やジェンダーの差別と同様に、ルッキズムの問題点を真摯にかつ多角的に問う挑戦的特集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金城 雅大(きんじょう まさひろ)
20
斜め読み。こういった答えのない問題に対する最新の言説を読んで、自分の頭で考える材料を得るインプットも、たまには必要かと思う。2021/12/08
K(日和)
14
漠然とした語義・主張でしか捉えていなかった「ルッキズム」を自分に染み込ませ、自分・他人の容姿にどう向き合うべきかと悩み手にした一冊。 ルッキズムという言葉が市民権を得つつあるこの社会で自分どう生きたいのだろう。自分の容姿に対する自分のジャッジ・他者からのジャッジ・社会からのジャッジ。社会が人間の容姿に対して行うジャッジ。人間の容姿をジャッジしている社会に参画している自分。自分の信念に照らし自分はどう行動せねばならないのか? どう行動したいのか? を考える一助となる論考たち。2022/03/19
おでんのたまご
10
ルッキズム、ここ最近で急に定着した感のある言葉。めちゃくちゃ身近な問題であるのに、学問の世界ではあまり語られてこなかったそう。とりあえず問題を解決する手段としては高島さんや他でも言われていたように①美しさの基準を多様化する②醜いままでも安心して存在できるような社会にする があるみたい。①はプラスサイズモデルや映画のヒロインが様々な人種になったりと、模索しながら実践されている感じはある。でも②は今後ますます難しくなっていくというは実感としてある。「清潔感」という言葉があるけど、要求される身だしなみ2021/12/14
真琴
9
ルッキズムというと「女性の外見的な差別」という括りでしか考えがありませんでしたが、LGBTQ、障害者の逆差別(「障害者に見えないよね〜」)、男性のエステ・・・など多岐にわたり、かなり前から議論されていたのだと知りました。読書会のために読みましたが、かなり奥が深く興味深い内容でした。 無駄毛はお金をかけて脱毛するのに、頭皮(髪の毛が寂しい)はお金をかけて増やす。という行に、なるほどと思った。★★★★☆ 2022/03/13
はぎはぎ
8
外見で判断するルッキズムを非常に多様な角度から検討する特集。広告からラブドール、ジェンダーをめぐる問題と、目次を見るだけでも読みたい文章が山ほどあった。図書館で借りて特に興味のあるものを読んで返してしまったのだが、手元に置いておいて読みたい一冊である。2023/01/30