感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
K(日和)
12
多種多様な<恋愛>にまつわる文章・論考が揃っている。自分の中に存在しなかった観点が、その属性を持つ他人にとってはかけがえのない視点であることを知り、自分の仲に新たな世界の見え方が付与される瞬間に溢れる読書体験。 自分の中に秘め、閉じこめることで納得しようとしていたn=1でしかない体験たちが、様々な観点からの眼差しや相対化の方法に触れ、活き活きと自分の中で動き出そうとしているのを感じ心が浮ついている。2022/02/05
おでんのたまご
7
ロマンティックラブイデオロギーを微妙に履き違えて理解していたことを知る。そしてなぜフェミニズムがそれを批判してきたのかも正しく理解できた。それがロマンティックマリッジに変化しているというのは納得できる。コンフルエントラブも初めて聞いた。対等な関係いいじゃん、と思うものの余裕のある経済力や安定した精神など、ネオリベと接続しやすい。あとは歌詞や雑誌、少女漫画から見る恋愛も面白かった。韓国では脱恋愛、非恋愛主義が現れている。脱コルもそうだけど韓国のフェミニストは行動的ですごい。2021/11/03
カモメ
4
失恋の悲しみ、喪失を経験してどのように生きていくのか叙述した『もう誰かと恋愛することはないと思うけれど』と「自分が他者にいだく好意が恋愛感情か否か判断できない」クワロマンティックに生きる『クワロマンティック宣言』がお気に入り。〇〇フレンドや〇〇セクシャルなど、関係性や感情をカテゴライズする表現が増えている中で、喪失感を経たり相手との親密感で幸福となったりするのは「恋愛」に限らず普遍的なものなのだと感じた。一方で実際の恋愛や性の場では「性別らしさ」が要求され意識されるという問題提起も納得。2022/07/23
anzuzuzuu
3
一番学びを得たのは、自分の価値観だけで決めつけてはいけないということ。世の中にはさまざまな価値観のひとがいるし、それぞれの苦しみがある。正直一番衝撃だったのはポリアモリー(複数愛)について。わからないことだらけなので、もっと当事者の方々の声を聞いてみたい。 そして読んでて思わず泣いてしまったのは、「ゴースティング試論」だ。いわゆる音信不通になって消えてしまう人、状態のこと。自分の苦しみを思い出してしまい、また自分以外にも苦しんでいる人がたくさんいることを知った。苦しんでる人は是非読んでみてほしい。2022/07/19
朝露
3
松浦氏「アセクシュアル/アロマンティックな多重見当識゠複数的指向」を読むため購入。例えばラグビーを見るのが好きな人に対して「あの選手みたいにラグビーやってみたいの?」とはならないのに、好きな恋愛マンガの話だと「そういう風にされて(して)みたいの?」ということが当然のように見られる、その違和感に切り込んでいてすごく腑に落ちました。2022/02/26
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