出版社内容情報
昨年、犬塚弘氏が亡くなりクレイジーキャッツの“いた”時代がとうとう終わりを告げた。だが、エンターテインメントはポスト・クレイジーキャッツを生きているだろうか。ジャズ、コミックソング、喜劇、映画、そしてテレビ、事務所を背負う芸能人であり、新時代のスターであったクレイジーキャッツ、その革新はいかなるものだったのか。戦後の芸能のすべてがここにある、そういいきってみることから再考は始まる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
17
クレイジーからドリフに人気が移行したのは、旧態依然の彼らが新興勢力に駆逐されたためと勝手に思い込んでいたが、「全員集合!」の掛け声や当初のスマートさは、クレイジーのイタダキだったらしい。そういえば、ドリフメンバーの芸名を命名したのもハナ肇。ブーはさておき、茶、工事、注というネーミングセンスは最高。タモリはクレージーの歌も作品も何も知らないという、彼らの心酔者赤塚不二夫の嘆きもあったとか。時代ゆえにテレビの代表作、シャボン玉ホリデー他、残る映像も僅か。原体験者がいなくなれば、彼らの面白さも消えて無くなる。2024/06/09
pulp
9
もちろんリアルタイムで知っているわけではないが、それでも30年くらい前、東宝ゴラク座というリバイバル上映があって、一生懸命、名画座(もうとっくに閉館した大井武蔵野館)に通っていた。この頃の日本の風景がとても好きだった。「クレイジーが一番面白いのは生のステージ。次がテレビで、一番つまらないのが映画」と小林信彦が言っているが、私はこの人の言うことをあまり信用していない。2024/05/04