感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うさみＰ
5
様々な源流から２０１０年度を境に、ジャンルにとどまらず一気に先進的な総合芸術エンタメに昇華した「アイドルアニメ」とは一体何なのか。何故魅了されるのか多面的に分析した本書。「見せ方の発展」「作品への介入の仕方」「ファンよる発信・共有」「〇向けに作りながらも性差・世代間の超越」が大きいのでは。当時、ツイッター内でのキンプリ盛り上がりは印象的だった。「うたプリ」「アイカツ」「プリパラ」は時間が合えば見る・曲が好きだからＣＤアルバムだけは持ってる程度だったけど、時間かけて通してみようかしら。2016/08/16
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2
キャラクターって内面もビジュアルも声も、行動さえも作られたものなのに、例えば『真中らぁら』と『南みれぃ』の間には、絵に声がついていてるという概念はなく、早送りや最終話に急に飛ぶことも無く、未来は決まってなくて、自分の意思で行動している真中らぁらと南みれぃが存在しているだけなんだよね。アイドルとオタクは対等にはなるものではない。次元における壁があるアイドルとアニメーションは非常に親和性がある。 きらレボがハルヒより語られてないの悲しすぎる。2023/04/20
椿初兎
2
たった4年前に刊行されたものなのに、今読むと「一昔前の論だなぁ」と感じてしまう。そのくらい、二次元アイドルというものが目まぐるしく変化しているってことだと思う。VTuberもヒプマイもゾンサガも生まれる前、だけどその時代にしっかりと「二次元アイドルとは？アイドルの定義は？」という問いを持ちながら関わってきた関係者たちがいるからこそ今があるんだ……という資料として、全編興味深く読みました。買ったきっかけはキンプリのスタッフ座談会だけどね（2020/10/18
ちくわ
2
アイドルアニメには、男性アイドル、女性アイドル等様々なものがある。例えば、ラブライブ、アイマス、キンプリ、マクロス等たくさんのアニメがある。本書では、それらの中からいくつかピックアップし、様々な視点から語っていく。アイドルアニメにはいろいろな捉え方があるのだろうが、自分としては、視聴者を元気にさせるアニメ、と考えている。日々の生活の中でいろんなことに悩み、塞ぎこみたいことも多々あるのだろうけど、明日からもまた頑張ろう！と前向きな気持ちにさせてくれることこそがアイドルアニメの本質であると思う。2018/08/11
センケイ (線形)
1
男女両方の作品が矢継ぎ早に見出しに上がり、大いにファン心を満たされるが、それだけに留まらない。多様かつ濃厚な論がぎっしりとある。横断的な作品批評や観光、描画と言った好相性のものはもちろん、出演者や観衆の主体を捉えた社会哲学、ミュージシャンによる作曲理論、ジェンダーのあり方と言った社会問題までもをその射程に収める。単行本として成立するほどまだ手稿の集まっていない細密な議論を、ひとつひとつ拾い上げ、あるいはいち早く察知するには、うってつけの名著であり、社会にとっての意義も大きな書巻と言えるのではないか。2016/11/06
