内容説明
それは不思議な力を持った凶器であった。それを手にした者に自信を与え、内攻した積年の怨念をはらす勇気を与える―。人の手から手へと禍々しい殺意と悲劇を運ぶコルト・ガバメント。一挺の凶銃を媒体に現代の諸相を見事に描き出した会心の連作シリーズ第一作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
アヴィ
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作者本人が語るように大藪春彦の凶銃ルーガーへのオマージュ的作品。あちらはルガーだが、こちらはコルト45。コインロッカーを媒体にコルトは転々と持ち主を変えていく、そして人が死んでいく。妖刀村正の時代から持ち主に不幸をもたらす凶器のストーリーは多くあるが、本書は森村誠一らしく、コルトが直接的な凶器というよりも、そこから派生する人間の業のような話になっていく。果たしてコルト45の行き着く先は。2025/09/05
sensei
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コルト45 がロッカーを経て次々と違う人に渡り、それを手にした人は気が大きくなって、殺人を企てる。しかし、コルトを拳銃として使用して殺すのでなく、他の偶発性でコルトに関わった人が死ぬ。主婦の座の奪い合いから嫁に殺意を抱いたり、家政婦に主婦の座を奪われる懸念に捉われた主婦が家政婦を殺す話など色々な殺人の動機がでてくる。2020/06/11




