内容説明
「土佐、陸奥、薩摩、丹後…」ついにかくし場所の秘密を握った!徳川家康が、第二子・結城秀康に与えたという“百万石のお墨附”の在処をめぐる隠密達の攻防を描いた表題作他、秀吉をめぐる好編「最後に笑う禿鼠」「太閤の養子」など、諧謔を秘めて綴られた七編を収録。
感想・レビュー
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韓信
2
家康と秀吉それぞれの信長暗殺計画の下手人に仕立て上げられる光秀の悲劇「最後に笑う禿鼠」、幼少期のトラウマから土壇場で一歩を踏み出せなくなり秀吉に好機を奪われる丹羽長秀「一瞬の気後れ」、葛西一揆における伊達・蒲生の諜報戦「逆心の証拠」、容貌醜怪のため実父家康の愛情を得られず、養父秀吉に傾倒した結城秀康「太閤の養子」、秀康に与えられた百万石のお墨付を巡る暗闘を描く表題作、犬山城主成瀬氏の大名昇格への歴史「悲願二百六十年」等を収録。秀康のようなニッチな素材は嬉しいが、人間心理に重きをおいた軽い作風は物足りない。2016/04/03