内容説明
診察室での面接を実況中継!「いかがいたしましたか」から「おだいじに」まで―いい面接は知的で、創造的で、おもしろい。患者さん、ご家族、精神科医である著者とのバーチャルな対話を、診察場面そのままに全編会話体で記録。精神科面接における大事なポイントもつぶさに解説。
目次
序 「面接ライブ」という形式について
症例1 リストカットしているブラック・ミュージックが好きな16歳女性
症例2 オーバートレーニングの高校野球名門校1年生部員
症例3 名門校の女子生徒。中学3年で妊娠して直ちに退学
症例4 「自分はアスペルガーではないか」と心配になって受診した名門校秀才
症例5 「無理に登校しなくていい」と教師に言われて、そのまま不登校になった中学2年女子
症例6 万引き癖がなおらない17歳女子高優等生
症例7 突然大金を持ち歩くようになった女子高生
著者等紹介
井原裕[イハラヒロシ]
1962年神奈川県鎌倉市生まれ。1987年東北大学医学部卒業。1994年自治医科大学大学院修了、医学博士。2001年ケンブリッジ大学大学院博士号修得。順天堂大学医学部精神科准教授等を経て、2008年より獨協医科大学越谷病院こころの診療科教授。専門は司法精神医学、精神病理・精神療法学など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Asakura Arata
2
患者さん医師とも饒舌だなあ。もっとも多く話さないと本にはならんか。医師がかなり余計なことを言っているような感じがする。私自身は患者さんにもよるが、診察場面では意識的に発語を少なくすることが多い。 もし私が患者なら、おしゃべりな先生は苦手だなあ。2012/03/13
ひろか
2
「面接ライブ」という類書をみないチャレンジングな一冊。様々な主訴を抱える思春期例の面接ライブをそのまま(創作事例ではるが)載っている。あっという間に読めてしまうほどの分量ではあるが、例えるなら、著者の即興を見ているかのよう。クラシックのようなその固さのさい面接はまさにジャズ的で、その場の即興が重要であるが、下段にコメントが加えられることで、その即興が確固たる理論やエビデンス、経験に支えられたものであることが理解できる。2012/07/22
じょん
1
図書館本。精神療法とは聴くことではなく、尋ねることと聴くこと。面接の流れをつくることは精神科医の仕事の真髄。/最近読んだ鈴木瞬医師の研修医のためのブログでも思ったが、精神科医は会話のプロである。この能力は憧れるし、プライベートでもかなり応用可能と考える。ただ、この著者の面接は随所にパターナリスティックに見える部分がある。これは思春期相手の意図的なものなのかもしれないが、私なら少し距離を置きたくなってしまうと感じた。2019/04/19
uka
0
多様性が強くなっている社会では、エビデンスは経験に裏打ちされて逆もまた然りであってほしい。一人で立ち上がれるようになるだけの力が戻ってくるのをそっとお手伝いしているだけ。でもそれが難しい。2016/11/27
枕流だった人
0
成田市立図書館