内容説明
心的体験から精神症候を読み取り、さらに精神症候から病態心理を読み解くという精神症候学の方法を論じ、ひいては個々の患者の病態構造の把握のための、そして各々の疾患の病態生理の追究のための方法としての精神症候学を呈示する画期的書。各章を通じて、統合失調症の精神症候を個々に取り上げ、その病態心理の究明のために著者が編み出した独自の方法を述べる。
目次
序論 心的体験、精神症候、病態心理
第1章 症候の進展と後退―症候は形を変える
第2章 認識のフォーカシングと体験の様相―症候は違って見える
第3章 ダブルメッセージ性への着目―症候は人を欺く
第4章 対象化の障害という視点―症候は時には穿って診るものである
第5章 自己保存本能の果たす役割―症候は「自己保存の危機」によっても形作られる
第6章 逆ジャクソニズムという考え方―症候は騙されて作られる
終論 方法としての精神症候学
著者等紹介
中安信夫[ナカヤスノブオ]
昭和24年山口県宇部市に生まれる。昭和50年東京大学医学部医学科卒業、精神医学教室に入局。昭和59年群馬大学医学部神経精神医学教室・講師。昭和63年東京都精神医学総合研究所社会精神医学研究部門・副参事研究員。平成3年東京大学医学部精神医学講座(現大学院医学系研究科精神医学分野)・准教授。専攻は臨床精神医学、精神病理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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