内容説明
自閉スペクトラム症とADHDの当事者、潰瘍性大腸炎の当事者、互いを取材して考えた、それぞれが抱える苦悩と、それぞれにしか見えない世界。
目次
1 どういう症状か?(発達障害とは―頭木→横道;難病とは―横道→頭木)
2 どんな人生か?(発達障害と生いたち―頭木→横道;難病と生いたち―横道→頭木)
3 どうしてつらいのか?(発達性トラウマ障害―頭木→横道;難病のメンタリティ―横道→頭木)
4 だれと生きるのか?(発達障害とセクシャリティ―頭木→横道;難病と家族―横道→頭木)
著者等紹介
頭木弘樹[カシラギヒロキ]
文学紹介者。筑波大学卒。大学3年の20歳のときに難病になり、13年間の闘病生活を送る
横道誠[ヨコミチマコト]
京都府立大学文学部准教授。1979年生まれ。大阪市出身。博士(文学)(京都大学)。専門は文学・当事者研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ユウティ
7
これ絶対おもしろいだろ、と思ったらやっぱり面白かった。生きづらさという点もそうだし、発達障害と潰瘍性大腸炎がどんなもので、ご本人たちがどう捉えているのかという部分が分かりやすくて良かった。短めだったけれど、横道さんがなんか上滑り?しているような感じとか、頭木さんの病気による暗黒面が見えたりとか、相互のインタビュー形式って面白いなと思った。もっとじっくりバージョンでも読みたいなあ。表紙のピンクとブルーのトラも好きだ。2023/12/12
marua
4
この感想が的確かはわからないが、面白かった。発達障害当事者の横道氏が語る世界の視え方は、わしが知りたかったことに近い。わしは頭木氏と同じ病を患ったので、外出がままならない辛さも痛みの感じも、ほんの少しだが分かる。 他人を思いやる想像力があれば世の中もも少しだけましになってくのにな。2024/03/10
Asakura Arata
4
頭木氏のやり場のない怒りと、横道氏のASD的コミュニケーションが、よく現れていてある意味興味深かった。このようなところが、対談の醍醐味である。2024/02/01
koji
2
めちゃ面白い!発達障害の当事者と、難病の当事者が互いにインタビューをし合い、心と体の関係性について考えていく。発達障害が心で、難病が体の代表となる。この二つは簡単に切り離せるものではなく相互作用しあっているけれど、その相互作用のグラデーションも個々人で勿論違う。あまり心と体を同一視しすぎるものも、心が弱いから病気になる、との不理解を招く。なので、結局分からないのだけど、この2人の当事者がああでもない、こうでもない、と話す感じが、それだけで非常に面白かった。2023/11/25