内容説明
通り抜ける音が、巷の情動に響きわたる。数十年の停滞ののち再起した、路上の巡回広告業ちんどん屋。大阪の路地裏、震災後の仮設住宅、脱原発の抗議集会など、様々な場に集う情緒、力、関係が、ヒビキによってあらわになる。初のちんどん屋研究書。
目次
プロローグ 始まり
序章 ちんどん屋の響き
第1章 歩く歴史
第2章 魅惑を上演する
第3章 想像共感の音を出す
第4章 ちんどん屋を政治化する
第5章 沈黙の響き
エピローグ 響きのアフォーダンス
著者等紹介
阿部万里江[アベマリエ]
1979年生まれ。エスノミュージコロジスト(民族音楽学者)。ボストン大学音楽学科教授。専門はサウンド・スタディーズ、人文地理学、音の政治学、ポピュラー音楽研究など。神奈川県川崎市で幼少期を過ごし、ドイツ・デュッセルドルフのインターナショナル・スクール(高校)を卒業後、スワースモア大学で文化人類学・エスノミュージコロジーを専攻。カリフォルニア州立大学バークレー校大学院(エスノミュージコロジー)修士・博士課程修了。ハーバード大学ライシャワーセンター博士研究員(2010年)、国際日本文化研究センター客員研究員(2018年)。研究のかたわらアコーディオン奏者として様々なジャンルのバンドとレコーディング・ツアー活動
輪島裕介[ワジマユウスケ]
1974年石川県金沢市生まれ。音楽学者。大阪大学文学部・大学院人文学研究科教授。専門はポピュラー音楽研究、近現代音曲史、アフロ・ブラジル音楽研究。東京大学文学部、同大学院人文社会系研究科(美学芸術学)博士課程修了。博士(文学)。2010年に刊行した『創られた「日本の心」神話―「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史』(光文社新書)で、2011年度の国際ポピュラー音楽学会賞、サントリー学芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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