ハンセン病療養所を生きる―隔離壁を砦に

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ハンセン病療養所を生きる―隔離壁を砦に

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  • サイズ B6判/ページ数 224p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784790716990
  • NDC分類 498.6
  • Cコード C3036

内容説明

ハンセン病を得た人々が、集団になることではじめてできた活動とは何か。動けない「不自由」な者の「自由」とはどのようなものか。障害を越え、隔離壁を越え、人間の魂を耕し続けた人々の記録。

目次

序章 受難の物語を越えて―集団という問い
第1章 動けないこと/動かないことの潜勢力
第2章 留まる人々の「自由」―文化集団の拠点としての療養所
第3章 生活者としての経験の力―暮らしのなかの集団的実践
第4章 底辺から革新する運動―療養所を拠点とする政治的実践の動態
終章 隔離壁を砦に

著者等紹介

有薗真代[アリゾノマサヨ]
1977年、鹿児島県に生まれ、大分県中津市で育つ。九州大学文学部卒。京都大学大学院文学研究科(社会学専修)博士後期課程修了。博士(文学)。立命館大学専門研究員、カリフォルニア大学ロサンゼルス校客員研究員などを経て現在、京都大学大学院文学研究科非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

玻璃

2
「療養所で生きる」でも「療養所に生きる」でもなく「療養所を生きる」。このタイトルの意味を考えながら読んだ。第3章の生活実践の事例は圧巻の一言だが、ここを「人間って強かなんだな」と思うのではまだまだ理解が浅いのだろう。なぜなら、人目にもつかない日本の最底辺で、逃げられない閉鎖的な空間での貧富の差に困った末なんとか生活を豊かにしていこうとした試みだったのだから。誰に命じられることなく作業を分担し、誰も取りこぼすことなく楽しみを分かち合う。初めて知ることばかりだった。2019/11/07

Essai

1
京都大学の特殊講義の単位修得のために読んだ。読む価値があり、講義を履修登録してよかったと思った。全6章構成で、序章 受難の物語を越えてー集団という問い、第1章 動けないこと/動かないことの潜勢力、第2章 留まる人々の「自由」ー文化集団の拠点としての療養所、第3章 生活者としての経験の力ー暮らしのなかの集団的実践、第4章 底辺から革新する運動ー療養所を拠点とする政治的実践の動態、終章 隔離壁を砦に、となっている。それまでの社会学史やフランス・ポストモダン等の学術の成果が取り入れられており、読み応えがある。2021/01/14

yoooko07

1
移動可能な者によって運ばれてくる力を、みずからのうちに折り畳み、それによって、自己と周囲の人々の生を豊饒化させること。この「生の豊饒化」は、奪われた生の形式を取り戻すこと、あるいは、押し付けられた単一の生の形式を複数化すること、といいかえることができる(P83)内容と形式において自他を肯定し続ける営みが、結果的に、改革への推力となることもあるのだ(P165)「閉じる」ことによって「開く」、「守る」ことによって「攻める」とう、両義的な運動性が求められたのである(P178)2019/07/02

コーキ

1
可動性と脱出ばかりが自由への道ではない。動けない、動かない、そこに留まるということもまた、自由につながりうるのだという。「入所者たちは、権力の側から押しつけられた境界線を、自分たちの側から引きなおすこと--隔離壁を砦にすること--を試みたのではないだろうか」(p177)。2018/03/24

akiko_lecture

0
人間とはどんな極限状態にあってもよりよい生を求めて立ち上がる、創造的で強靭で柔軟な存在である…このことをハンセン病療養所という特殊空間を舞台に記述しただけでも貴重。でもこの「閉鎖空間における自由の獲得」という逆説的な営みが、現在の新自由主義的な社会思想を告発する論拠となっているところがこの本のオリジナリティですね。人間の主体性に期待するのをやめ、困ったことはぜんぶ技術と制度で外側から解決すればいいと言わんばかりの昨今、人間への信頼を軸にした静かなる抵抗の書が出版され、紀伊國屋でランクインしていることは奇跡2018/04/15

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