内容説明
ひきこもりとは何か?ひきこもりのベテランが、支援のプロと語りあう。ジャーナリストのルポでも経験者の体験談でもない、ひきこもり問題への第三のアプローチ。
目次
ひきこもりという経験
第1部 ひきこもり支援の最前線(自立を強いない支援;仲間の力を引き出す;ピア・サポートという方法)
第2部 ひきこもりゆく「心」(対人恐怖とひきこもり;自己愛とひきこもり;モノローグからダイアローグへ)
第3部 発達障害とひきこもり(オーダーメイドの支援;自閉症スペクトラムとひきこもり)
第4部 社会的排除とひきこもり(若者が着地しづらい時代の支援;生活を自分たちで創り出す)
ひきこもり問題の臨界点
著者等紹介
杉本賢治[スギモトケンジ]
ひきこもり経験者。1961年札幌生まれ。思春期の10代後半と20代後半に長期のひきこもり経験あり。社会福祉士、社会保険労務士の資格をもつ。現在もアルバイトをしながら、対話ができる場所を求めて放浪中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Humbaba
7
引きこもらざるをえない状況になってしまった本人は辛いが、それを支援する人間もまた辛い状態にあるというのもまた間違いない。真剣になんとかしようとしているからこそ、上手く行かなかった時の苦しさは大きい。諦めなければ最後にはうまくいくのかもしれないが、その果実が手に入るのはいつになるかには保証はない。2015/12/25
みつか
5
ひきこもり経験者みずからが10名の有識者と対話し、まとめたもの。皆さんが真摯にひきこもり・自閉症スペクトラムについて考え・悩み・どうすべきか模索なさって、少しでも情況改善してゆこうという姿勢に感銘をうけました。私にも何かできることはないだろうか?と心に響きました。編者の杉本賢治さん、これからも「インタビューサイト・ユーフォニアム」続けてください。応援しています!2019/05/10
まろすけ
3
中井久夫先生ご推薦書。ならば読まないわけにはいかないな。⚫競争原理社会により「恥と罪」から「怯えと被害」の感覚へ⚫コフート。自己愛と他者への愛情が並行して発達し自己対象概念を発展させていく。自己対象とは、自分の中に取り込まれた他者のイメージであり両方の属性を持つ。自己愛パーソナリティは他者に対し自己イメージが影響・交錯しやすく揺らぎやすい⚫自己対象経験がうまくいっていないと自己愛的な防衛が発展しやすい。自分の長所を鏡のように照らし返してくれないと「わかってもらえない」と自分の世界にひきこもる。コメント欄へ2017/09/02
bonobono14
0
他人と気持ちを分かち合う大切さ 和歌山の宮西先生もインタビューされていた 「ひきこもり臭」のある人が支援者だと安心するとのこと 幅広い視点からひきこもりを捉えることができる 2021/03/09
にゃんた
0
「ひきこもり」の原因はさまざま。だからこそ万能な解決策はありえない。 本書でひきこもり当事者やその家族を支援されている方達には尊敬の念に堪えません。2018/03/20