内容説明
現代医療を解剖する。医療の「今」を成り立たせる様々な要素とその複雑な関係を、近代から現代の変化を追うことで読み解く。これからの医療を見通すための知見を広げる一冊。
目次
1 現代医療の中心構造(医学知識・技術;医師;医療施設)
2 現代医療の支持構造(病者と患者;コメディカル;国家;医薬品産業)
3 現代医療の周縁(精神医療;非正統的医療と代替医療;ターミナルケア;健康)
著者等紹介
中川輝彦[ナカガワテルヒコ]
2001年、大阪大学大学院人間科学研究科満期取得退学。現在、熊本大学大学院社会文化科学研究科教授
黒田浩一郎[クロダコウイチロウ]
1986年、京都大学大学院文学研究科学修退学。現在、龍谷大学社会学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぷほは
3
三部構成となっており、Ⅱ→Ⅲ→Ⅰと読み進めるのがいいように思われる。少し古い情報もあるだろうが後半の「ターミナルケア」「医薬品産業」等の各章は十分な具体的情報が入っており、概観として役立つ水準になっている。ただし医療社会学独自の理論的展開などは乏しく、Ⅰ部でパーソンズなどの思いっきり初歩的な線はカバーされているものの、構築主義やエスノメソドロジー、フーコーの言説分析等への解説はほぼ皆無といっていい。そのため余りに素朴な社会学主義にも読めてしまうので、後半の各論や事例から入った方がいいということなのだった。2018/02/01