内容説明
「今、もしこの世にミルトンが生きていたら?」―その発言を考える。女性擁護の聖書解釈によって近代的女性観・結婚観に多大な影響を与え、自然環境保全、環境倫理を示唆し、言論出版の自由の危機に対峙し、平和愛好者・近代哲学の先駆者であり、全人教育の理想を説くミルトン(1608‐74)に熱く共感する著者渾身の現代日本への警鐘。
目次
第1章 愛と結婚(『四絃琴』から『失楽園』へ;ミルトンから『ジェーン・エア』へ)
第2章 ミルトンの自然環境思想(『失楽園』における自然環境論;『失楽園』における「支配」をめぐって;ミルトンからワーズワスへ)
第3章 戦争と人間―『力者サムソン』論
第4章 言論・出版の自由思想の源流―『アレオパジティカ』
第5章 リベラル・アーツの源流―ミルトンの教育論
著者等紹介
辻裕子[ツジヒロコ]
同志社大学文学部英文学科卒業、同大学大学院文学修士課程修了、米国ウィスコンシン大学留学。同志社女子大学研究助手、専任講師、助教授、を経て1981年同大学教授。1980年夏休みジョンズ・ホプキン大学にてスタンレイ・フィッシュによるミルトン・セミナーに参加。83年84年夏休みを利用してハンティントン・ライブラリーにて資料収集。1991年同志社大学より博士(英文学)を取得。1996年半年間ケンブリッジ大学在外研究。2000年同志社女子大学名誉教授、同年、京都女子大学の招聘により文学部及び大学院教授。2008年定年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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