内容説明
出来事としての言葉へ!―差異の哲学による「生の復権」。“分かる”ために、古代人は分類し、近代人は組み立ててきた。しかし、その経験の底、時間と言語と感覚のもとで、数多の差異が豊穣にざわめいている。想像と回想を解放し、自然の声を聴き、“分かること”の真の仕方を探究する。
目次
第1章 諸差異の差異
第2章 流出論
第3章 時間
第4章 心と数多の“いま”
第5章 言葉という言葉
第6章 分かること
第7章 自然の声
著者等紹介
船木亨[フナキトオル]
1952年東京都に生まれる。1983年東京大学大学院人文科学研究科(倫理学専攻)博士課程修了。1986年熊本大学文学部哲学科講師。1998年同教授。現在、専修大学文学部哲学科教授、放送大学客員教授、博士(東京大学)。専攻はフランス現代哲学、18世紀哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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てれまこし
1
現代仏思想にかぶれた人以外でこんな本を手にとる人は、原著を読む手間を省いてくれる手軽な哲学解説を期待したのではないだろか。かくいう私がそのクチだが、読むのが苦痛であるのは原著に劣らず、その期待は外された。多様性と差異はどう違うのという問いを念頭に読んだのだが、一なるものに回収されてしまう差異とそれを拒む差異という区別の根拠は何となくわかった。言語に囚われた哲学者が言葉を尽して自らを解放しようともがく姿に共感できるかは微妙。哲学者でもない我々の生が、どれほど言語により貧困化されているかにかかっていそう。2017/09/14