内容説明
読書、試験、自分探し、友情、恋愛、仕事、病気…身近なライフ・イベントを通じて社会学の考え方を学び、混沌とした世界を読み解く力を身につける。好評書を全面改訂。
目次
読書の社会学―文化資本を蓄積させる楽しい読書
試験の社会学―俗知の聖知への化体の公的承認
勉強の社会学―学生の動機づけの危機としての学習意欲の喪失
資格の社会学―将来の不確実性を縮減する幻想を与える資格
自分探しの社会学―他者承認なき「自分探し」の漂流
就職の社会学―ポストバブル期にシグナルを出せない青年の悩み
昇進の社会学―日本型メリトクラシーで選ばれるのは誰か?
恋愛の社会学―「ロマンティック・ラブ」から「コンフルエント・ラブ」へ
友情の社会学―社会関係資本としての友人関係
喫茶の社会学―コーヒー・ハウスにおける市民的公共性の成立
仕事の社会学―ストレスをチャレンジに変える仕事の自己指令性
病気の社会学―学習される患者の役割・管理される病気の身体
著者等紹介
片瀬一男[カタセカズオ]
1956年長野県生まれ。東北大学文学部卒業、同大学院文学研究科博士課程中退。現在、東北学院大学教養学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きいち
15
読書、恋愛、仕事、病気、そうした身近に起こる13の出来事について、世の中の動きや仕組みと自分たちの意志決定や行動がどうかかわっていくのか考えていくためのとても良質な教科書。それぞれ、小説や映画等を枕に今の日本の論考(新書も多い)と、社会学上の理論(ブルデューの文化資本なりギデンズの親密性なり…)を自然につなげた、良く練れたブックガイドになっていて、とてもありがたい。◇何故死や出産が出ない?なぜ結婚じゃなく恋愛?と思ったが、ここでのライフ~は人生上の大事件ではなく生活上の出来事、ということだからのようだ。2013/07/08
富士獣
6
初学者が興味を持てるように身近なトピックが主なテーマとして書かれた社会学の本。 階級移動や文化的資本再生産の視点による教育・受験・学歴競争の説明や、喫茶と公共性の議論、他にも恋愛や看護など幅広い。社会学概論や社会学史ではないので、これで社会学に興味を持ったら、興味のある特定テーマを掘り下げてもいいけど、次は概論を読むのがいいかなと思った。2020/03/15
MoM.
2
社会学とくるとどこか小難しくて学者の方が追求するものといった印象を抱いていましたが、この本を読むことで社会学とはごくごく普通な日常の諸事情に端を発するもので最も身近で有益な学問だとこの本を通じて感じました。全ての章が一般の人にも身近なテーマで構成されていて世界の社会学の重鎮の著書からマンガまであらゆる関連した著書がリンクされていてとても実用的です。更には各章末には例題が課され、指定された関連書物を読みその例題に取り組むことで更に実践的に社会学を考えることができました。学生、社会人双方の方にお勧めです。2013/07/14
りら
2
図書館。身近な事象から課題を見いだす視点を学べた。解決策までは書かれておらず、どこを落とし所にして行くかは各人の思索に任されているように感じた。モノのとらえ方、考え方を学ぶに良いと思う本。参考文献も読みやすいモノが挙げられており、興味があれば、自分で深めていくことができる工夫があった。個人的には、感情労働の話に興味があった。自分の専門を決める前に読むべき本かもしれない。それが社会にどうつながっているのかを忘れないために。2013/05/23
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- 和書
- ちょっと運のいい家政婦