内容説明
なぜ、日本の受動喫煙対策は遅れているのか?有害なタバコ煙が、多くの人々に深刻な健康被害を及ぼす「受動喫煙」。タバコ規制の国際条約(FCTC)を最初に批准した国のひとつでありながら、受動喫煙対策の「後進国」である日本の現状に警鐘を鳴らし、よりよい社会環境の実現に向けた議論の筋道を示す。
目次
能動喫煙から受動喫煙へ―タバコ対策の新たな時代
第1部 日本の受動喫煙被害の実態(受動喫煙に対する認識の遅れ―「後進国」としての日本;受動喫煙をめぐる多様な社会環境―日常空間で遭遇する健康被害;労働環境にみる受動喫煙症患者の苦難―守られない従業員の健康)
第2部 日本のタバコ広告の深層(商品広告にみるタバコと「男らしさ」―「ホープ」を事例に;マナー広告にみるタバコのススメ―「大人たばこ養成講座」を事例に)
第3部 日本の受動喫煙対策のポリティクス(公共空間におけるタバコ産業の分煙戦略―喫煙スペースの生産;受動喫煙防止条例へのタバコ産業の抵抗―公共空間をめぐる攻防)
受動喫煙のない社会環境に向けて―「先進国」のための条件
著者等紹介
村田陽平[ムラタヨウヘイ]
2005年京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了、博士(文学)。2011年京都大学白眉研究者(第2期)。日本学術振興会特別研究員、京都大学次世代研究者育成センター助教を経て、現在、近畿大学文芸学部専任講師。日本地理学会賞奨励賞(2004年)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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