内容説明
ウォーラスティンの『近代世界システム』第1巻刊行以来、40年にわたり社会科学全般に影響を与え続けてきた世界システム分析。壮大なパラダイムを社会学的視点からコンパクトに概説する。
目次
第1部 世界システム論とはなにか(基本構成―世界システムはどんなシステムなのか;歴史―近代とはいかなる時代か;開発―南北格差は解消できるか;資本主義―どこがユニークなのか)
第2部 世界システムの過程(国家―システムに制約されるもの;社会運動―システムに抗うもの;イデオロギーと文化―システムを支えるもの;移行―われわれはどこから来てどこに向かうのか)
第3部 世界システムの現在(新国際分業―システムは変化したのか;ポスト新国際分業―グローバル化はなにをもたらすのか;反グローバリズム―「もう1つの世界」は可能か;エコロジー―環境問題をどうとらえるか;むすびにかえて―われわれはどこまで世界システム論者であるべきか)
著者等紹介
山田信行[ヤマダノブユキ]
1960年生まれ。東京大学教養学部卒業、東京大学大学院社会学研究科社会学(A)専攻博士課程修了、博士(社会学)。現在、駒澤大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うんとこしょ
1
マルクス(特に『資本論』第一巻)の基本概念についてある程度の知識がないとおそらく追いついていくことはむずかしいと思う。が、ある程度の知識がある人にとっては、世界システム論について(批判的な視点を確保しながら)体系的に入門ができる点で魅力的な本だろうし、世界システム論について詳しい人も知識の整理に有益だと思う。2017/12/05
クラウド
0
世界システム論についての概観と、現代の世界が抱える問題とを関連付けながら述べられている。世界史的な知識とある程度の世界情勢が頭に入っているならば読みやすいだろう。 批判的入門という題のとおり、基本を抑えつつも俯瞰的な視点で捉えられているため一面的でない見方がなされるのが特徴だろう。 労働や環境といったような視座なども踏まえつつ、社会学的な知見も織り交ぜられているのがポイント。 地球には様々な人々が暮らしながらも中核国による周辺国の搾取やそれに伴う格差などがある。世界システムは我々に示唆をもたらしてくれる。2023/08/11
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