内容説明
歴史学・人類学・考古学の立場から、アンデス世界とそれにまつわる言説の創出・発展・変容過程で生じた多様なコンフリクトの真相に迫り、その歴史的意味を論じる。海外研究者7名を含む第一線のアンデス研究者と新進気鋭の若手研究者による画期的な試み。
目次
1 歴史の語り方、語られ方(アンデス関係のクロニカをめぐるコンフリクト―ナポリ文書と『新しい記録と良き統治』;インカ史再構築に立ちはだかる対立意見と既成概念―クスコの貴族階級をめぐって;コンフリクトと統合 インカ国家の領土拡大をめぐって―コリャ人、ルパーカ人、チムー人、チャチャポヤス人との対立 ほか)
2 交渉と創造の社会史(一七世紀インディアスにおける紙・書類仕事・公証人;公証人帳簿と「書かれたもの」の力;訴訟制度のなかの先住民―一七世紀ペルー・ワマンガ地方の三つの事例を通して ほか)
3 コンフリクトのアルケオロジー(戦うことの意味―アンデス文明初期における戦争と世界観;形成期に組織的な暴力行為は存在したか―図像表現を政治的言説として再考する;先スペイン期アンデスにおける小集落経済への国家の関与―ワリ国家の首都と小集落との関係 ほか)
著者等紹介
染田秀藤[ソメダヒデフジ]
関西外国語大学教授(大阪大学名誉教授)。ラテンアメリカ植民地時代史
関雄二[セキユウジ]
国立民族学博物館教授/アンデス考古学、文化人類学
網野徹哉[アミノテツヤ]
東京大学准教授/アンデス社会史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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