内容説明
平家物語の中で平清盛とともに屹立する人物、1154年から84年に至る義仲の三十余年の生涯が放つ、ひたむきで純朴な一条の光を、信濃・北陸・京洛・琵琶湖畔にわたる足跡をたどりつつ、夢と野望と破綻と挫折の壮絶な時の中、虚実の狭間に追う。
目次
義仲と乳兄弟の物語を紡ぐ原点―母親の「託孤」と兼遠一族の「野望」
「横田河原合戦」の義仲造形―「武水別神社・八幡宮大本堂」からの発進
義仲受難の選択「人質・清水冠者の派遣」
延慶本平家物語の「火打合戦」―「厳島明神の託宣」と「平家衰亡の予言」と
義仲北陸合戦の展開―「火打合戦」から「篠原合戦」まで
「木曾大夫覚明」の役割と「滋野」「海野」の問題
義仲上洛の情意と平家物語の叙述姿勢
「法住寺合戦」の顛末
征夷大将軍源義仲と入道前関白松殿基房
義仲の最期
樋口次郎兼光の「名乗り」―義仲伝承の掉尾を飾る
幸氏―少年期の悲劇を乗り越えた鎌倉射手の生涯
著者等紹介
武久堅[タケヒサツヨシ]
1936年7月生まれ。関西学院大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。広島女学院大学教授を経て、関西学院大学教授。現在、関西学院大学名誉教授(同大学院非常勤講師)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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