内容説明
スタジアムに響くトランペットや太鼓、メガホンの音。応援団のリードに合わせ、盛り上がる観客たち。「スポーツを応援すること」から見える社会のありようとは―私設応援団の参与観察を中心に、日本プロ野球の応援文化を多角的に描き出す。
目次
1 スタジアムにおける集合的応援行動(儀礼としての集合的応援行動;応援のスタイル化と繰り返し ほか)
2 オリックス優勝の物語と個人的体験(集合的記憶としてのオリックス優勝;情報の受け手―メディア・テキストの積極的な読解者; ほか)
3 スポーツ観戦を介した同郷人的結合(ビジターチームの後援会―構成される故郷;同郷人的結合―孤独/ディアスポラ/文化的パフォーマンス ほか)
4 プロ野球私設応援団のフィールドワーク(私設応援団の下位文化研究;私設応援団「神戸中央会」の形成 ほか)
5 スタジアム空間の管理(観客の集団的逸脱行動;集合的応援行動―統制の中での感情の脱抑制 ほか)
著者等紹介
高橋豪仁[タカハシヒデサト]
1962年生まれ。筑波大学大学院博士課程単位取得中途退学後、徳島文理大学短期大学部講師、奈良教育大学助教授を経て、奈良教育大学教授。大学では、「スポーツ社会学」「生涯スポーツ論」等の授業を担当する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みちしるべ
1
応援って何が楽しいの?野球チームのどこが勝とうが他人事でしょ。そう思っていた。球場での一般客にとっては、乗りやすいリズムパタンによる、定型化された儀礼への参加という楽しみ。私設応援団員にとっては、情緒的人間関係を通して「大衆の孤独」を和らげる機会。球団や暴力団にとってはビジネス。球場のスタンド周辺では、みんなが精いっぱい楽しみ、楽しませようとしている。WIN-WINで、なんと素晴らしいことか。問題は、球場へ新たに足を運ばせることができるか。スポーツとメディアがタッグを組んで…「ゲレンデの恋」みたいな広告を2024/10/19