内容説明
スハルト体制の崩壊前後で、インドネシア華人をとりまく状況はどう変わったか。かれらと日常をともにした著者が豊富な事例をもとに描きだす、大転換期の諸相。従来のエスニシティ論にインパクトを与え、東南アジア理解に欠かせぬ華人研究の重要な礎石となる一冊。
目次
第1部 序論―「華人」、「華人性」、「華人コミュニティ」(ペン・フワあるいはエフェンディ・ワルダナ;民族誌の舞台―ルンバンの町の「華人コミュニティ」)
第2部 「クレンテン」か「ヴィハラ」か?―スハルト体制末期の宗教・対華人政策と「華人コミュニティ」(インドネシアの仏教との寺廟―「インドネシア化」の二つのベクトル;ルンバンの寺廟の地位変更過程「クレンテン」から「ヴィハラ」へ;「ヴィハラ」から「クレンテン」へ ほか)
第3部 「影の華人組織」の成立と消滅―体制転換期の危機管理「ネットワーク」と想像される「コミュニティ」(クラガンの暴動;ルンバンへの危機波及と「チナ事業者」の招集 ほか)
第4部 「華人国家英雄」の誕生?―ポスト・スハルト期の「華人性」をめぐるダイナミズム(国家英雄制度;『ラセム史話』と陳黄弐先生 ほか)
著者等紹介
津田浩司[ツダコウジ]
1976年広島県に生まれる。1999年東京大学教養学部卒業。2008年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員PDを経て、2010年より東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助教。専門は文化人類学、特にインドネシアの華人社会研究。論文に「中国寺院か仏教寺院か?―スハルト体制下インドネシアの交渉される華人性」(第1回日本華僑華人学会研究奨励賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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