内容説明
スポーツ観戦と場所、生活、メディア、マイノリティ、哲学・政治学―存在感を増す社会/文化的現象としてのスポーツ観戦を多角的に読み解く。
目次
1 スポーツ観戦の場所(スポーツ観戦空間―そのパースペクティヴ及び現在と未来;観客席から何が見えるのか―サッカースタジアムのテクノロジーと「まなざし」の社会史)
2 生活のなかのスポーツ観戦(野球―生きて我が家に還るスポーツ;サッカー観戦におけるサポーター活動と地域生活との乖離―「白いスタジアム」が埋め込まれた町を事例にして ほか)
3 メディアとスポーツ観戦(マルチメディアに介在されるメガ・スポーツのライバル戦―ライバルと超越的存在の再帰的循環;スポーツ中継のなかの「物語」―メディアの送り手による構築 ほか)
4 女性及び障がい者とスポーツ観戦(ポスト近代におけるスポーツ観戦とまなざし―第三波フェミニズムの視角から考察する;パラリンピックの表象実践と儀礼的関心)
5 スポーツ観戦の哲学と政治学(スポーツ観戦のハビトゥス―人種化された視覚の場と方法論的ナショナリズム;スポーツ・エンターテイメント・ビジネスと観客とホスピタリティ)
著者等紹介
橋本純一[ハシモトジュンイチ]
現在、信州大学全学教育機構及び人文科学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ばりー
1
「スポーツ観戦する主体」としての女性は、男女間の権力関係の変化から生じたのか、それとも、単なる商業主義スポーツへの女性への取り込みなのか。「女性が男性スポーツ選手を観ること」は必ずしも肯定的に捉えられない部分がありそう。もちろん絶対に悪いことではないと思いますが。2012/04/29
catenaccio711
1
スポーツを「観る」という観点に立って、その行為の場所や文化的位置づけ、荷担する存在としてのメディア、行為の倫理性など様々な論点から述べられている。読む前は、スポーツメディアの「物語」に対する振る舞いについて考えるところがあればと思っていたが、それよりも、女性や障碍者などといった(比較的)近年になってスポーツの主体となった立場の人々に関する論考が興味深かった。単なる批判に留まらず、そこにある構造がきちんと分析されてた点が、新鮮でよかった。最後にある整理されていない謎論文以外は間違いなく読む価値あり。2012/02/14
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