内容説明
真理は発見されるものから、作られるもの、生きられるものとなり、真理論の歴史は、真理を問うことの意味そのものを問うことへと展開してきた。独自の視点から真理論の歴史と最新の様相を解明する。
目次
第1章 真理論の近代的転回(経験論の衝撃―ロックとヒュームの真理論;近代的真理論の確立―カントによる真理観のコペルニクス的転回;「自覚」の展開としての真理―ヘーゲル全体論的真理観)
第2章 哲学の脱超越論化と真理論の規範的転回(現象学の真理論―フッサールによる超越論的基礎づけの試み;神の死と新しい真理像の模索―ニーチェの真理観;形而上学は克服されたか―ヤスパースとハイデガーのニーチェ解釈)
第3章 真理論のプラグマティズム的転回(パースにおける真理と探究;便宜としての真理―ジェイムズの真理論;デューイにおける「保証付きの言明可能性」と真理)
第4章 認識論の終焉と真理のデフレ化(タルスキと真理の意味論的理論の射程;情報意味論における真理概念;真理から連帯へ―ローティの反真理論)
第5章 客観主義的な知識・真理の理論を超えて(ポラニーの「暗黙知」における「知」のダイナミズム;「科学」の語りとその真理性―医療コミュニケーションをモデルに;道徳的実在論に対する社会的構築主義による反動)
著者等紹介
吉田謙二[ヨシダケンジ]
1938年生まれ。同志社大学大学院修士課程修了。池坊短期大学学長、同志社大学名誉教授
加賀裕郎[カガヒロオ]
1955年生まれ。同志社大学大学院博士課程単位取得退学。同志社女子大学現代社会学部教授
隈元泰弘[クマモトヤスヒロ]
1954年生まれ。同志社大学大学院博士課程単位取得退学。ミュンヘン大学哲学・科学哲学・統計学部博士課程単位取得退学。九州共立大学経済学部教授
立山善康[タテヤマヨシヤス]
1953年生まれ。同志社大学大学院博士課程単位取得退学。徳島文理大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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