内容説明
『鉄腕アトム』が拓いた映像の新時代。勃興するテレビ放送産業、暗転する映画産業、転換を図るアニメーション産業。斬新な視点で綴る1960年代の映像産業史。
目次
第1章 テレビ放送産業の勃興
第2章 「映画」表記の消滅
第3章 テレビ映画とアニメーションの国産化
第4章 映画産業の暗転
第5章 テレビ放送の敵視と参入
第6章 ハリウッドとテレビ放送
第7章 黄昏からの再生
第8章 アニメーション産業の形成
第9章 『鉄腕アトム』の遺産
著者等紹介
古田尚輝[フルタヒサテル]
1943年福井市生まれ。1966年東京大学法学部卒業。同年NHKに入局。1970~71年フランス・グルノーブル大学留学。『ニュースセンター9時』『NHK特集』などの制作を経て、編集室長として『20世紀放送史』(日本放送出版協会)の編纂・執筆にあたる。2003年より成城大学文芸学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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富士さん
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アニメ史として読んだので、直接アニメに関係する内容が少なく、TCJに触れられたところ以外は特段新しい情報はないという印象です。しかし、知られた資料の組み合わせ方やインタヴューによる裏取りはとても勉強になり、事実関係が要領よくまとめられているので役に立ついい仕事だと思います。時代背景が分かってアニメ史を深く理解できるようにはなりますが、アニメを語るにはここまで細かく記述する必要はないように思います。タイトルにもかかわらず大半が日米の映画とテレビの歴史の記述に当てられており、ちょっとミスリードかなと思います。2013/08/08
星規夫
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映像産業史。放送用アニメーションの濫造と低い制作費という特徴は黎明期から相変わらずであったという事は既に聞き及んでいたが、かつての邦画界も同様の事態に見舞われていたらしく、とても興味深い。2013/01/14
メルセ・ひすい
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テレビ放送データー誌 日本初の本格的シリーズ・テレビ・アニメ「鉄腕アトム」の登場をひとつの時代の区切りとして、1960年代前半までの日本のテレビ放送産業の発展過程を、ほかの映像産業との関連を通して綴った映像産業史。 2009/04/02