「中立」新聞の形成

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  • サイズ B6判/ページ数 246p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784790713340
  • NDC分類 070.21
  • Cコード C3036

内容説明

幕末から維新期にかけて急激に生じた社会的コミュニケーションの活性化と混沌状況の中から、秩序はいかにして形成されたのか。それ自身が発展途上にあった政治権力と、今日まで続く「中立」のジャーナリズムの成立過程との関わりを歴史的に分析した労作。

目次

第1章 「横議横行」から「多事争論」へ
第2章 福沢諭吉と「人民交通」
第3章 「中立」新聞の形成―明治中期における政府と『朝日新聞』
第4章 政府機関紙創刊と御用新聞―自由民権末期の『東京日日新聞』
第5章 「実業新聞」の形成―『大阪毎日新聞』の創刊と本山彦一
第6章 新聞紙条例下における正誤・弁駁権の機能
第7章 読者の形成

著者等紹介

有山輝雄[アリヤマテルオ]
1943年生まれ。1972年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京経済大学コミュニケーション学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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つまみ食い

1
書名の通り、報道における「中立」という概念の歴史性に焦点が当てられている。幕末の『中外新聞』から明治初期にかけ、政権は新聞が「上意下達」のメディアであると前提して新聞の普及を支援したが、むしろ反政府的な言論が論争を通じ盛り上がる媒体となり、これを抑えるために讒謗律といった法制度の整備とともに極秘の資金援助を通じ「中立」(=表面では政府と無関係であると装う)新聞を支援するなどの対策を取ったことなどが述べられている2021/12/03

rbyawa

0
h082、朝日新聞(大阪から始まった当時珍しい新聞社)に関してが白眉で、東京日日新聞に関しては面白い情報だったのですが、残念ながら当時の政治事情を把握していないためか、大阪毎日新聞に関してはちょっと残念。時事新報は福沢諭吉氏のジャーナリストとしての側面に関しては良い内容、そもそも「中立新聞」というものを政府が資金援助によって作り上げたものである、という部分はこれで完成している感じだなぁ…。そう、朝日新聞って確かになんか違う存在なんだよね、政府から距離を取ることが常に目標だったわけではないんだよな、新聞も。2017/11/29

も~り~

0
そうか、「中立」なんていう考え方はある種、明治政府によって形づけられたものだったのか。学術書でありながら、新聞の「中立」というある種幻想的な思想・考え方を批判していると感じた。2012/08/07

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