内容説明
道徳や規範、イデオロギーから限りなく遠ざかることで社会の原点に立ち返る。不確定性に満ち、ときに暴力が噴出する世界から秩序が生まれる瞬間をとらえ、社会の成り立ちを考察する。
目次
第1章 交換と正義
第2章 零度の社会性
第3章 社会の暴力
第4章 自然状態あるいは社会性の停止
第5章 贈与への意志
第6章 両義的他者
著者等紹介
荻野昌弘[オギノマサヒロ]
1957年生まれ。パリ第七大学大学院社会科学研究科博士課程修了、社会学博士。関西学院大学教授。専攻、文化社会学、歴史社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぷほは
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10年前に出ている本なので、研究の水準を訂正すべきだろう。たとえばオートポイエーシスに関しては、河本英夫の解説をそのまま使っているが、ルーマンの展開はかなり独自のもので、それが長岡克行氏や佐藤俊樹氏などの一連の議論で日本語でもかなり分かるようになってきた。なので批判理論とシステム論を並べて、「どちらも内と外を厳密に区別し、前者は外から、後者は内から議論している」というのは正しくない。まず批判理論の批判は自己に向けられるものだし、自己組織性とオートポーエーシスでは内と外の境界付がかなり異なっているからだ。2015/10/02