内容説明
ラジオは戦時国民生活に必須のメディアだった。太平洋戦争の開始とともに、政府の意思の伝達装置として、また防空警報を伝えるメディアとして、国民生活に欠かせないものとなった放送を、稀少な史料によって綴る。
目次
1 政府の放送政策(政府が示す放送のあるべき姿;政府が説く国民のあるべき姿)
2 日本放送協会の対応(戦時体制への対応;「電波管制」対策;番組制作者はどう取り組んだか)
3 受け手(聞き手)の言説―反響と批評(聴取者の反響;評論家による批評;研究者の論考)
エピローグ
資料編
著者等紹介
竹山昭子[タケヤマアキコ]
1928年東京に生まれる。日本女子大学文学部社会福祉学科卒業。東京放送(TBS)勤務の後、教職に就く。その間、社会心理研究所(南博主宰)のメンバーとして研究活動。元昭和女子大学教授
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感想・レビュー
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シルク
10
半分寝た状態で読んだよなぁ、これ……という記憶がある本。本がつまんないとかそういうのではまるきりなくて、単に読んでるわたくしが、体調がよくなかったのだ。そんでとっとと寝りゃいいのに、「んぐぐぐぐ」と起きて本を読んでいたのだ。で、中身をまるきり覚えていない。そんな読み方をしてすんません……。今後読む機会あるかしらこの本? と、思ったが、今この文章書くために感想欄開いていて、他の読書家さんの感想が面白くて、この本に対する興味が湧いてきた。と言う訳で、その内再トライしやう。2014/11/28
こばこ
0
戦時下において、NHKがどういった方針の下で、どういう放送を行っていたのかを残存する資料から読み解いた本。戦争が開始する前にはニュース媒体としての放送の地位は低かったが、その速報性を政府に買われ、急激に地位を上げたこと、そして、戦時下のアナウンスの語り口(「淡々調」か「雄叫び調」か)についてなどの試行錯誤があった、という記述には目を引かれた。聴取者に伝わってナンボ、ということがこの時代に強く意識され、そして様々な検討・議論がなされたことが興味深く、戦時中という特殊環境がこの検討・議論を早めたのだなと。2016/01/02