内容説明
翻訳の基礎から文芸・ビジネス・映像翻訳まで、多様な分野にわたって詳説。翻訳の歴史、翻訳が近代日本語・日本文学に与えた影響など、文化生成の場としての豊かな翻訳の世界に迫る。現役翻訳者のコラムも収載。
目次
編者鼎談 翻訳とはクリエイティヴな作業である(安西徹雄/井上健/小林章夫)
第1章 英文和訳から翻訳へ
第2章 発想を転換すれば、突破口が見えてくる
第3章 フィクションの翻訳
第4章 ビジネス翻訳
第5章 映像翻訳
第6章 翻訳で作られた近代日本語
第7章 「第三の文学」としての翻訳文学―近代日本文学と翻訳
第8章 翻訳家への道―「翻訳の面白さ」を忘れないために
著者等紹介
安西徹雄[アンザイテツオ]
1933年生まれ。上智大学大学院博士課程単位取得満期退学。上智大学名誉教授
井上健[イノウエケン]
1948年生まれ。東京大学大学院修士課程修了。東京工業大学大学院社会理工学研究科教授
小林章夫[コバヤシアキオ]
1949年生まれ。上智大学大学院修士課程修了。上智大学文学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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viola
12
一番最初がいっちばん面白いですねー。小説の翻訳など、相当の文学研究できる人でない難しいよな、と痛感。バイトで英文和訳とかしているけれど、どこまで意訳するのかが悩むところ。大学院入試の訳でも、意訳しないといけないけど翻訳まで行ってはいけない。構文や単語が分かっていることはアピールしたい。でも・・・(略)その微妙なあたりなのも、中途半端で難しいんだよね・・・としみじみ。翻訳でも英訳でも、難しいですよねー。専門的な翻訳や、映像の翻訳までも載っています。執筆陣が豪華なのも嬉しいところ。2011/07/13
Nobu A
7
齋藤兆史著書「翻訳の作法」の参考文献から辿り着いた本著。感興を唆るものではなかった。タイトル通り翻訳家を志す人対象だから?「訳注中毒」や第5章「映像翻訳」等、興味深い内容もあったが、入門書であれば社会的地位が比較的高く翻訳活動が活発なヨーロッパ事情が含まれても良さそうだし、「翻訳家は女性が多い」と記述があるのに執筆者は全員男性。辛うじてコラムに3名のみ。テーマに一貫性がなく、実践的でもなければ衒学じみたものあり中途半端。本著を読んで翻訳に興味を持つのだろうか。残念ながら翻訳の良さが伝わってこなかった。2022/08/02
にゃーごん
3
「英文翻訳術」から安西先生繋がりで手に取った。文芸、ビジネス、映像、翻訳の歴史などなど、テーマ別に章立てられていて、それぞれに執筆者が異なる。これから翻訳者を目指そうという人のために、翻訳業界の内情や翻訳テクニック自体も(英和のみだけど)手取り足取り教えてくれる本。最後の方の章に書かれていた、翻訳者になるには翻訳を「楽しめるかどうかが大切だ」という言葉にハッとした。最近はスキルアップしなきゃという焦りが強すぎて楽しむという感覚が薄れていたかもしれない。その割には必死に勉強している訳でもないという矛盾(笑)2020/03/06
山がち
2
翻訳と銘打っておきながらも英語以外のさらに言うと英語から日本語への翻訳しか書かれていなかったのは非常に残念であった。もちろんこれが中心になることに異存はないが、軽くでも触れてほしかったところ。しかし、それを除くと非常によくできていると思う。技術的なことに詳細に立ち入ることを避け、代わりに文学の翻訳から、ビジネス(専門書系統)、映像字幕さらには翻訳がもたらした日本語への影響など非常に広範にわたっている。これである程度イメージをつかんでから、丁寧に紹介されている参考図書へと少しずつ進んでいくのがいいのだろう。2013/05/31
トトロ
1
全て自分と当てはまるわけではないけれど、右も左もわからない状態だったので少しの手掛かりがつかめたような気がします。2014/12/14




