内容説明
「自ずから然り」という意味での「自然」についての一連の現象学的諸研究のなかから、特に根源的な時間・空間経験の問題を出発点として、現代哲学の諸々の有力な立場と対決しつつ、“多における一”“一なき多”の根底に、“多なき一”“一における一”の論理を析出する。
目次
第1章 一にして不可分の空間(の)経験―スピノザ、フッサール、ビラン(スピノザにおける「一にして不可分の延長」;フッサールの空間構成論 ほか)
第2章 『物質と記憶』における緊張(tension)と伸張(extension)(『試論』と『創造的進化』のあいだで;純粋知覚―イマージュ論 ほか)
第3章 瞬間のなかの持続―フッサールとベルクソンの調停の試み(現象学派のベルクソン批判;現代思想のサッサール批判 ほか)
第4章 “一なき多”の場の自己経験としての“多なき一”―レヴィナス多元論の批判の試み(レヴィナスの多元論;レヴィナス批判(現象性の次元で;時間論の次元で;倫理の次元で))
著者等紹介
中敬夫[ナカユキオ]
1955年大阪府に生まれる。1987年京都大学大学院文学研究科博士後期課程学修退学。1988年ボルドー第三大学博士課程入学。1991年パリ第四(ソルボンヌ)大学博士課程修了(博士号取得)。1993年愛知県立芸術大学美術学部講師。現在、愛知県立芸術大学美術学部助教授
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