内容説明
時代に先駆けて現代文化の重要問題と格闘した「知の巨人」ヘーゲル。その苦悩の軌跡に歴史的・体系的な考察を加え、新資料にも基づいて幅広く業績を検証することにより、21世紀を生きる現代人の指針となる様々なモチーフを提示する。
目次
ヘーゲル哲学
青年時代
懐疑の自己実現と無限性―講義と著作を通してイェーナ期ヘーゲルを貫いたモチーフ
『精神現象学』、精神の登高の物語―「自分」を知るには「自分」を試し実現しなくてはならない
論理学―本質は現象する
自然哲学
自然と和解する精神―成熟期ヘーゲル精神哲学の一根本問題
世界史は自由の意識の発展過程か―歴史哲学講義
ヘーゲルの「哲学史」講義―哲学史とは何か
法哲学
宗教の実現は宗教の終焉である
ヘーゲル美学における芸術の終焉と新生
現代のヘーゲル
付録 ヘーゲルの略歴と哲学体系の概要―一八二七年版『一般ドイツ実用百科事典』第五巻「ヘーゲル」の項目
著者等紹介
加藤尚武[カトウヒサタケ]
1937年東京都に生まれる。1963年東京大学文学部哲学科卒業。1968年東京大学大学院文学研究科博士課程退学。1972年東北大学文学部助教授、’82年、千葉大学文学部教授を経て現在、京都大学大学院文学研究科教授(2001年4月より鳥取環境大学学長に就任予定)。著書に『ヘーゲル哲学の形成と原理』(未來社、1980年)、『哲学の使命―ヘーゲル哲学の精神と世界』(同、1992年)、『ヘーゲルの法哲学』(青土社、1993年)他。編著に、『ヘーゲル読本』『続ヘーゲル読本』(法政大学出版局、1987・97年)、『ヘーゲル事典』(共編、弘文堂、1992年)、『ヘーゲル研究への新視角』(創文社、1999年)他。訳書にヘーゲル『懐疑主義と哲学との関係』(共訳、未來社、1991年)、ヘーゲル『自然哲学』上・下巻(岩波書店、1998・99年)、ヘーゲル『イェーナ体系構想―精神哲学草稿I・II』(共訳、法政大学出版局、1999年)他
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