内容説明
倫理学的に考えるとはどういうことか、倫理学的問いの「視座」を求めて。30の「例題」に示されるような日常生活の中で浮かび上がってくる問いを倫理学的考察へと導くことにより、現実の諸問題と倫理学説との架橋を図り、「倫理学的に考える」ための示唆を与える、新機軸の倫理学入門書。
目次
第1講 倫理学の問い
第2講 絶対的価値は存在するか
第3講 絶対的価値は存在しないか
第4講 功利主義の基礎
第5講 功利主義の諸問題
第6講 功利性と道徳性
第7講 カント倫理学の課題
第8講 普遍化可能性の原理
第9講 人格性の原理
第10講 道徳性の本質と限界
第11講 道徳という制度
第12講 自由と道徳
第13講 幸福と道徳
第14講 愛と道徳
著者等紹介
新田孝彦[ニッタタカヒコ]
1951年山形県に生まれる。1977年北海道大学大学院文学研究科博士後期課程中退。1977年北海道大学文学部助手。1984年愛知県立大学文学部講師。1987年北海道大学文学部助教授。1995年北海道大学文学部教授。現在北海道大学大学院文学研究科教授、博士(文学)。著書に『カントと自由の問題』(北海道大学図書刊行会、1993年)。『カント哲学のコンテクスト』(共編著、同、1997年)
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感想・レビュー
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無識者
5
タイトルからはわかりにくいが、カント倫理学の入門書。一応功利主義をはじめとして様々な考え方に触れられているが、カント倫理学の理解を深めるための補論という側面が大きい。カントを学びたい人にはお勧めできる。2015/07/06
Tom Zacky
1
倫理観の欠如しているオイラの読む本では、、、ゲフゲフ2013/06/01
ヘンリー八世が馬上試合で死んだことは内緒
0
あずにゃん「先輩たちに流されてる。このままじゃダメだ……カントに従い理性的行為者としての自分を取り戻さなくては…」平沢唯「そんなことしなくたっていいじゃん。あずにゃんはいつでもあずにゃんだよ!」2013/05/27
しまゆう
0
本当に「入門講義」と銘打ってあるだけあって凄くいい本だった。もう少し例題にかんしてじっくり考えても良かったかなと思ったが、これは一人で読んで考えるよりも読書会などで議論したほうがきっと内容の理解も深まるだろう。半分くらいがカント倫理学とその周辺への議論であった。厳格主義的な「イメージ」しか無かったカントだったけど、もう少し「人間味」を感じられた気がする。こんな気がするのもこの本がなるだけ平易にと砕心されたからだろう。本棚に欲しい1冊。
akko
0
やはり、カントは難解である?かなぁ😅2020/08/11