内容説明
社会的文化的性差がもたらす現実のなかで、女性に関する諸問題はどのようにとらえられ、解決されつつあるのか。時代・地域を超えた多角的なアプローチを試みる。
目次
第1章 女子高等教育の歴史に学ぶ
第2章 アメリカの女子高等教育
第3章 女性のスポーツ行動と現代社会
第4章 スポーツにおける男女の平等機会―アメリカの「タイトルナイン」と女性スポーツ
第5章 女性たちの大空への夢
第6章 性差を考える―心理学的アプローチから
第7章 女性の生き方と近代社会
第8章 家族論と国家論の間
第9章 イギリス文学における女性―メアリー・ロースの場合 ルネッサンス時代の期待されない女性像
第10章 女性と家族と社会―現代文学にみる二一世紀予測
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きぬりん
1
奈良女の教員たちによる女性を主題とする論考集で、10章中3章がスポーツ関係。世論調査により女性のスポーツ参加傾向を記述しその文化的・社会的背景を析出する江刺論考、米国教育修正法第9篇(Title IX)がスポーツにおける女性の参加機会や男女公平に及ぼした影響を指摘する井上論考、第一次大戦以前は女性も男性に伍して航空スポーツに参入していたことを指摘する山本論考。新自由主義史観台頭(ひいては女性史)の背後には平等型と参加型という民主主義の理念の対立が潜んでいるという小路田論考には、虚を衝かれる思いがした。2025/02/17