内容説明
平安後期から鎌倉・南北朝・室町時代に及ぶも、なお陸続として書き継がれた「姫君と貴公子の恋物語」の数々は、「中世王朝物語」と総称され、多方面から斧鉞を加えられている。本書では、魅力に溢れる作品群の考察が展開され、まさに時宜に適った珠玉の一冊となっている。
目次
第1章 中世王朝物語における表現の問題
第2章 『恋路ゆかしき大将』の成立―その語句の特徴をめぐって
第3章 『松陰中納言物語』の成立―文法的特徴をめぐって
第4章 『松陰中納言物語』における敬語の特殊な用法について
第5章 『木幡の時雨』の文章―先行物語からの影響(1)
第6章 『あきぎり』の文章―先行物語からの影響(2)
第7章 『小夜衣』の引き歌について
第8章 『狭衣物語』と百番歌合
第9章 『狭衣物語』と『風葉和歌集』
第10章 資料編 大覚寺本『小夜衣』翻刻