内容説明
著者は明治37年、吉原遊廓大籬・大文字楼に生まれた。家業に反撥して別の道を歩むが、「吉原っ子」の運命は付いて廻る。「荷風忌」に参加して、投込寺と称された浄閑寺を初めて詣で、遊女や客、伯父中村芝鶴、そして父と母のこと…、苦悩の果ての故郷“吉原”追想。
目次
浄閑寺の「荷風忌」
おはぐろどぶに囲まれて
吉原大火前後
宮戸座回想
花魁道中
村松梢風と九重花魁
玉菊燈篭
段四郎の弁慶
空しき苦悩
関東大震災
楼主父子
母の言葉
再び「荷風忌」の日に
著者等紹介
波木井皓三[ハキイコウゾウ]
1904年10月、新吉原の大籬(おおまがき)大文字楼の長男として生まれる。稼業を厭い、新劇運動などに没入。“吉原逃亡”生活は続くが、鉄工所に勤務して自活の途をたてる。戦後、東宝演劇部嘱託となり、歌舞伎、新派、藤原歌劇団公演などの制作にあたる。のち演劇評論活動に入る。跡見学園女子大学、貝谷芸術学院の講師。1992年9月歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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