内容説明
昭和30年代。今日出海、松本清張、子母沢寛、水上勉…どの作家もみな我侭で、威張っていて、多忙ゆえにいつも不機嫌だった。新聞小説の原稿を受取りに、作家のもとに毎日通い詰めた、通信社時代の著者の、悲哀と苦闘の記録。
目次
今日出海
檀一雄
松本清張
子母沢寛
中山義秀
三宅雪子
徳永直
伊藤永之介
小山寛二
久米宏一
永井潔と薗田猛
水上勉
著者等紹介
祖田浩一[ソダコウイチ]
1935年(昭和10)、島根県に生まれる。早稲田大学を卒業。約8年半、通信社に勤務
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感想・レビュー
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bapaksejahtera
8
わずか8年程ではあるが昭和30年代に流行作家の原稿取りをしていた時代の経験を、作家毎のエピソードと共に記してある。著者は地方新聞の掲載小説を、挿絵画家とのマッチングを済ませた上で卸すような仕事をしていた。週・月刊誌や単行本の原稿取りとは異なり、毎日掲載の少量原稿を良くでも2,3日おきに受け取りに作家の許に赴く仕事を続ける。胃がもたぬ生活。清張の「影の地帯」は読んだ事があるが、抑々作家が「日銭稼ぎ」で書く仕事だから余り傑作はない。流行作家とは言え戦前の大家と異なり余り余裕はない時代だ。読んでてやや辛くなる。2022/09/15
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