目次
ポストの影
馬の腹
シードパール
鯔待ち櫓
グレゴリオ聖歌
聞いてゐるやう聞いてゐぬやう
ポスター「哀愁」
遥けきコロス
不思議を置きて
日のにほひ〔ほか〕
著者等紹介
小島熱子[コジマアツコ]
2000年第一歌集『春の卵』上梓(第七回日本歌人クラブ新人賞受賞)。2010年「短歌人」第9回高瀬賞受賞。2015年第四歌集『ぽんの不思議の』上梓(第44回泉鏡花記念金沢市民文学賞受賞)。2016年「短歌人」第61回短歌人賞受賞。「短歌人」同人、現代歌人協会会員、日本歌人クラブ会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yumicomachi
2
2019年9月刊行の著者第五歌集。おおむね穏やかな日常を詠んでいる端正な歌たちなのだが、独特の比喩や不思議な時間感覚、すこしの諧謔などが魅力を添えている。〈木洩れ日の揺るるを見つつおもひをり失くしてしまつた『フィレンツェ便り』〉〈「緘」の字の代はりにムーミンシール貼れば入道雲があそびにくるよ〉〈亡き人が描きしガラス絵の乳母車すこしひかりて動く気配す〉〈この日ごろ身に近きもの隠れたり めがね、つめきり、電子辞書、われ〉〈弘前に買ひしあけびの蔓の籠二十年経つれば猫の気配す〉等、2014〜2019の作品である。2020/08/27