内容説明
鋭い感受性で事象世界にたちあらわれる微細な変化を鮮やかに捉え、助詞の一語一語を動かし歌を作る森岡貞香の短歌作品を一首一首ていねいに読み解く。
目次
『白蛾』
『未知』
『甃』
『珊瑚數珠』
『黛樹』
『百乳文』
『夏至』
『敷妙』
『九夜八日』
『少時』
『帶紅』
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はち
6
実に面白かった。森岡貞香作日にはほとんど触れたことがなかったし、破調のせいでとてもとっつきにくい印象があった。実際に花山さんの鑑賞を読んでいても途中まではとっつきにくくて仕方がなかったが、中盤から森岡貞香の文体の魔力にはまってしまう。没したのちに忘れられてしまう歌人も多いので、このように残していく作業はだいじだ。そして森岡貞香歌集手配してしまった。楽しみ。2016/07/06
浦和みかん
0
森岡貞香の入門編。著者が歌を鑑賞してくれるので頭を使わなくてよい(笑)。初期歌集についてのページ数が多いが、作者背景の説明などがあるからか(読むのに時間をかけ過ぎたのでよく覚えていない)。確かに、よくまとまった文章ではないのだけど、逆に言えばどこから読んでもいいと思うし、歌の面白さは伝わるので本意は十分だろう。2016/10/22