感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
21
#栗木京子 #短歌 半開きのドアのむかうにいま一つ鎖 (さ)されし扉 (と)あり夫と暮らせり #水惑星 #返歌 家中の半開きドア締め回る冷房効率猫と暮らせり 現代百人一首(岡井隆)2016/09/14
冬見
14
「観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日我には一生」「夜道ゆく君と手と手が触れ合ふたび我は清くも醜くもなる」「未来より思ひ出欲しと言ひし頃わづかに君は冷酷となる」「退屈をかくも素直に愛しゐし日々は還らず さよなら京都」「説かるれば別離を許すほかになく我をはなれぬ理性を憎む」「さはさはと甕に挿す百合夜の更にゆるき書体のごとくほどけつ」「青時雨ふる夕ぐれにコンロの火細めむとしてふと未来見ゆ」好きな歌を紙の本で所有したくて買った一冊。はじめて彼女を知り、強く惹かれたあの歌を越えるものはなかった。2020/08/13
ぷるいち
8
京都で怠惰に過ごした身には、この人の歌が刺さりすぎる。「退屈をかくも素直に愛しゐし日々は還らず さよなら京都」離れて五年。もうあの時の京都はない。久しぶりに京都に帰ってそう思いました。2016/09/30
はち
5
『水惑星』、『中庭』全編。有名な観覧車の歌はこの本の序盤に現れるが、面白いのはそこから先である。恋愛、結婚、子育て。歌人としては二年間のブランクがあるのだが、ブランク明けの歌の方が面白い。時折差し込まれる理系の言葉にハッとさせられる。『水惑星』は少し不穏な終わり方をする。この女性は大丈夫かなと心配になるが、『中庭』では子育てをしながらしたたかに生きていく。歌人としての自我が強くなるのは第二歌集以後ではないだろうか。その辺は今度お伺いしてみたい。2016/02/21
おおいずみ
0
「観覧車回れよ回れ〜」を収録