出版社内容情報
常勝を誇る小6女子カン・ナルは、水泳部のエース。でも、最近はライバルに負け続け、悩んでいた。ライバルの不正を疑ったことから引き起こしてしまった事件をきっかけに、大きく成長する姿を描く、瑞々しくさわやかな青春ストーリー。
第21回文学トンネ児童文学賞大賞受賞。
内容説明
テイク・ユア・マーク 用意の号令に、ナルは位置について深く息を吸った。ピッというスタートの合図が鳴ったとたん海面上にとびあがるイルカのようにナルの体が空中に浮いた。「カン・ナル、がんばれ!」
著者等紹介
ウンソホル[ウンソホル]
作家。韓国在住。『5番レーン』で第21回文学トンネ児童文学賞大賞を受賞し、作家活動を始めた
ノインギョン[ノインギョン]
画家。韓国在住。『本の掃除屋さんソソ』で2012年にボローニャ国際児童図書展「今年のイラストレーター」に選出され、『ゾウのおじさんと100つぶのしずく』で2013年ブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)「金のリンゴ賞」を受賞
すんみ[スンミ]
翻訳家。早稲田大学文化構想学部卒業、同大学大学院文学研究科修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
43
韓国って小学校でスポーツ選手になるのとそれ以外とを決めなきゃいけないの?厳しいね。そして小学生で付き合ってX日記念日とかやるんだ。おませさんだね。2023/04/03
chiaki
41
高学年夏の課題図書。韓国の児童文学。幼少からずっと水泳に力を注いできたナルは突如頭角を表し始めたライバルの存在に、翻弄され心揺れ動く。彼女の嫉妬心や自己嫌悪など、心理描写がとてもリアルに表現されていて心が痛くなる。一生懸命にやってると逃げ出したくなる時もあるけれど、結果が全てではなくて、そこに至るまでの過程が大事。心決めるのは誰かではなくいつも自分!ラスト、自分を鼓舞するナルがかっこいい。とても爽やかで瑞々しい1冊。翻訳の読みにくさも全くない。おすすめです!2023/05/02
Totsuka Yoshihide
38
2023年青少年読書感想文全国コンクール小学校高学年部門作品。ウン・ソホル著作、ノ・インギョン絵、すんみ訳。本作で第21回文学トンネ児童文学賞大賞を受賞。本作で、5番レーンは予選2位のレーンだと初めて知る。主人公は漢江小学校水泳部六年生カン・ナル。ライバルのキム・チョヒとの出会いや、憧れだった姉のボドゥルが競泳をやめて飛込種目に変更したことをきっかけに、心身共に壁にぶつかる主人公。固い友情で結ばれているチ・スンナムや、付き合うことになったチョン・テヤンとの関わりを通して、自分なりの答えを導き出していく。2023/09/04
すみっちょ
36
韓国の話ですが、日本でもいわゆるスポーツエリートみたいな子ども達はこんな感じなのかなと思いました。小さい頃からそのスポーツに全力を注いできたから、やめ時がわからなくなってしまうこともありえるのかも。ナルは自分で自分の気持ちを立て直すことができましたが、コーチや水泳部のメンバーに恵まれててよかったなと思います。小学生の話ですが、帰りに寄り道したり電車で出かけたり付き合ったり…高校生でもおかしくない学校生活で、韓国の小学生は大人だな~と思いました。さすが推薦図書。とにかく読んでよかったです。2023/07/11
まる子
35
小学生のナルは水泳で結果を出してきた。そんな彼女に現れたライバルのチョヒ。チョヒに勝てない。勝つ事が目標になっていたナルが、そんな自分の心と折り合いをつける事ができるのか⁉️これまで自分がやってきた過程、水泳との向き合い方、応援してくれる友達や家族。ナルが出した答えは…。大人になるまでもなってからも、勝ち続ける事は難しい。どこかで負ける時が来る。わかっているけれど、それを小学生目線で教えてもらった気がする。時に挫折も必要。「心に重石があるより、重石を背負って走る方が気楽なのだ。」正直なナルに拍手👏2023/08/01