内容説明
熱病にかかった妹の治療費を稼ぐため、砂漠の家を離れ、ジャングルのサーカスで働くことになったぼくは、そこで子象のナンディタと出会った。そしてぼくたちは、家族になった。サーカスで不法就労をさせられる少年と、違法に捕えられた子象。金もうけしか頭にないオーナーから自由になるには…。象と少年のあいだに結ばれた、家族の絆の物語。
著者等紹介
ケリー,リン[ケリー,リン] [Kelly,Lynne]
1969年アメリカ合衆国、イリノイ州生まれ。スティーブン F.オースティン州立大学で心理学を学ぶ。卒業後は手話通訳として働く。2002年から数年間、特殊学校の教師としても働く。このころより児童文学の作家を目指し、2012年に、『ぼくと象のものがたり』で作家デビュー。南アジア図書館賞オナーブック、クリスタルカイト賞受賞。インド、フランスでも出版。現在はテキサス州ヒューストン在住
若林千鶴[ワカバヤシチズル]
大阪府生まれ。大阪教育大学大学院修了。31年間、公立中学校で、国語科と図書館を担当。集団読書や「楽しく読んで考える読書」を中心に指導と実践をし2012年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
かもめ通信
16
やまねこ翻訳クラブ会員の若林千鶴さんの翻訳本。10歳の少年ハスティンは、家族の窮状を救うため、サーカスの象の世話係として働くことを決意する。だが彼に最初にあたえられたのは、毎日ジャングルにしかけられた罠に象がかかっているかどうかを確認しに行く仕事だった。原題は“CHAINED”鎖につながれたのは子象のナンディタだけではない。逃げだそうにも逃げることができず、過酷な不法就労を強いられている少年ハスティンもまた、目に見えない鎖につながれていた。2017/11/04
tellme0112
3
ホッとした。いい話だった。2017/09/22
shoko.m
2
熱病にかかった妹の治療費をねん出するために、ぼくはサーカスで象の世話をする仕事をすることになった。だが、そのサーカスでの待遇はひどく、1年という約束もどんどん延びていく。象のナンディタと心を通わせながらも故郷や家族を思うぼくは、ナンディタを群れに返して自分も家に戻りたいと願いながら毎日をこなしていった。インドを舞台とした児童労働を描いた物語。つらい日々を過ごす少年の姿に胸が痛むが、一方でやさしくしてくれる大人の存在やナンディタとの心の交流にほっとしながら読んだ。2015/10/03
朔耶
2
ハスティンの妹、チャンダは熱病にかかり、町の病院に入院することになる。しかし父親を亡くしているハスティンの家には大金がない。そこで出会った富豪が4千ルピーと引き換えに母親を雇うことになった。しかし、使用人という立場の弱さ、富豪の家族から母親はひどい扱いを受けていることを知ったハスティンは、自分も働き借金を早急に返すことを誓う。そしてお茶売りの少年にサーカスのオーナーを紹介された。ハスティンに与えられた仕事は象の世話。心優しいハスティンはサーカスでの象の待遇の悪さに心を痛めていく。2015/09/09
kambashig
1
テーマは重いが、象が愛らしい。2016/05/25




