内容説明
イスラエルの少女ガトリと、パレスチナの少女メルヴェトが文通を始めたのは、イスラエルとパレスチナの紛争が続く中のことでした。平和を望み、家族を大切に思う子どもたちの記録。
著者等紹介
いぶきけい[イブキケイ]
島根県生まれ。東京都立大学人文学部(仏文学専攻)卒業。出版社、絵本輸入会社等勤務ののち、フランスで2年、米国で1年暮らす。帰国後、翻訳工房「トレデュニオン」を立ち上げ、フランス語の実務翻訳者として活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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がらくたどん
55
中東の地中海に面した日本の四国くらいの広さの土地がある。19世紀半ばまではオスマントルコの辺境の属州で様々な宗教・種族の集団が住んでいた入会地みたいな場所だ。第2次大戦後の1948年に戦勝国の合意で建国宣言がなされた入植ユダヤ人を主体とするイスラエルという国と入植時に居住していたアラブ系の人達(パレスチナ人)が暫定的に移住した自治区(+飛び地のガザ)が設けられた。これはオスロ合意の5年ほど前・パレスチナ人抵抗運動開始時期に15キロしか離れていない場所に住むユダヤとパレスチナの少女が交わした交換日記の記録。2025/04/21
たまきら
36
1980年代にはじまった実在する女の子(当時)たちの文通。そして、その後。夢いっぱいの女の子のことばが、現実によってすりへり、殺伐としたものになってしまったことに悲しみを覚えました。他国が介入したせいで今も続く恐ろしい戦い。読み終わった後ため息が止まりませんでした。2021/05/31
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
20
『Oslo』 https://www.oslo2021.com/ オスロ合意についての舞台鑑賞後、『アフマドくんの命のリレー』 https://bookmeter.com/books/4019463 に続き読みました。 イスラエルのユダヤ人ガリト、パレスチナのアラブ人メルヴェト。二人の12歳の少女は、記者を通じて文通を始めます。同じ国に住んでいるのに会うこともできない二人、平和を願いつつ気持ちがすれ違うようになっていくのは環境でしょうか?文化でしょうか?教育でしょうか?2021/05/10
tellme0112
12
北朝鮮がミサイル発射実験をした朝に。イスラエルとパレスチナの問題に比べたら、楽勝で和平結べるんじゃないかと思った。といったら、簡単に見過ぎているだろうか。しかし発行年見てため息がでる。まだまだ、これから最悪な日が続く。著者の解説を挟みながら岡真理さんの本を思い出していた。2017/09/15
スイ
9
イスラエルの少女とパレスチナの少女が交わす文通とその後についてのノンフィクション。 好きな遊びを尋ね、あなたは友達と言い合う幼い少女達だけれど、既に争いによる憎悪は育ち始めていて胸が苦しくなる。 手紙の間に丁寧に情勢の変化も記述されていて、子どもから大人まで読まれて欲しい一冊。 2019/05/17




