内容説明
仏教で説く「地獄」とはどんな世界か?この興味に、カンダタの地獄巡りの体験が生々しく答えてくれる。あらゆる悪行を犯して地獄に落ちたカンダタが見たものは、絶え間なく残虐な刑罰を受けて苦しむ八大熱地獄の罪人たちの姿だった。極楽からそんなカンダタをご覧になった阿弥陀仏は、過去に彼が一度だけくもの命を助けたことを指摘し、地獄のカンダタに向かって1本のくもの糸を垂らされる。しかし…。
目次
極楽
等活地獄
黒縄地獄
衆合地獄
叫喚地獄
焦熱地獄
阿鼻地獄
そして再び極楽
ひろさちやのまんだら漫歩録「ヤマは、きょう死んだ―」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かず
11
地獄と極楽。本当は六道の一つである地獄と、浄土教にかかれる阿弥陀仏のおられる仏国土「西方極楽浄土」とは、対置すべきものではないのですが、日本ではこの対置が一般的です。子どもの頃に聞かされましたよね、「嘘をつくと地獄に落ちるぞ」と。対して、「善いことをすると、極楽に行くぞ」とは聞きません。対して、「死ぬと極楽に行ける」というのは一般的に言われていることです。本著は、「蜘蛛の糸」のお話に沿った内容です。これを、創作のおとぎ話とみるか、現実を模写した寓話とみるかで生き方が変わると思います。どうせ生きるなら(続く2018/05/26