内容説明
本書には、ディジタル信号処理の大きな柱といわれているディジタル・フィルタとFFTを中心に、ディジタル信号処理の基礎について書かれている。なお、ディジタル信号処理で扱う信号は、音声や音響信号のように1次元の信号のほかに、静止画像のような2次元信号、動画像のような3次元信号、さらにはもっと高次元の信号もある。しかし、2次元以上の信号を扱う場合であっても1次元信号に対する考え方が基本になり、それが理解できていれば2次元以上の信号の扱いは容易になるので、扱う信号を1次元信号に限定するのは旧著と同じである。
目次
第1章 ディジタル信号処理とは
第2章 アナログ信号からディジタル信号へ
第3章 離散時間システムの基礎
第4章 z変換と離散時間システム
第5章 ディジタル・フィルタの構成法
第6章 ディジタル・フィルタの設計
第7章 ディジタル・フィルタにおける誤差とその対策
第8章 信号の発生方法
第9章 離散的フーリエ変換とFFT
第10章 FFTの応用
第11章 さらに進んだディジタル信号処理
著者等紹介
三上直樹[ミカミナオキ]
1977年北海道大学大学院修士課程修了。1977年北海道大学工学部応用物理学科助手。1987年工学博士。1987年職業訓練大学校(現職業能力開発総合大学校)情報工学科講師。1989年職業能力開発総合大学校情報工学科(現情報システム工学科)助教授。専門は音声信号処理、ディジタル信号処理、DSP応用
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感想・レビュー
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FIR/IIRフィルターとFFTの概説です。原理、大まかな仕組みは理解できますが、数学的な理論の下地が薄いです。そういうのを求めるなら教科書を読むべきです。所々に「理論を知らなくても、係数はソフトで求められ、実用上は問題ない」といった文章が見られますが、本の内容を端的に表しているといえます。興味深かったのは、適応フィルター(機械学習に近いですね)と複素信号に変換して処理すること、伝達関数から位相を取り出す点。一方、FIRフィルターがなぜこの式で良いのかはあまり分からず、満足感も薄いです。2015/12/27
F_ma
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離散時間システムの基礎からそこでのラプラス変換の役割を担うz変換、またDFTやFFT、ディジタルフィルタについて概説している。基本的な概念等を知るのには良いと思う反面、実際にディジタルフィルタを設計したい人には全然物足りないだろうし、文章や数式に誤植が散見されるため注意深く読まなければならない。専門書の足掛かりにするための まさに入門書。2021/01/30