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内容説明
こんな極寒の地でこのまま朽ち果てたくない―第二次世界大戦のさなか、ポーランド陸軍騎兵隊中尉だったラウイッツは無実にも関わらずソ連当局にスパイ容疑で逮捕された。苛烈な尋問と拷問の末、下された判決は25年間の強制労働。そしてシベリアの強制収容所へと送られた。意を決した彼は6人の仲間と収容所からの脱走を計画し、見事成功する。なんとかシベリアの原野を抜け、徒歩で一路南へと移動を始めた彼らだったが、その前途には想像を絶する試練が待ち受けていた!極限状況を生き抜いた男たちの、壮絶なるノンフィクション。
著者等紹介
ラウイッツ,スラヴォミール[ラウイッツ,スラヴォミール][Rawicz,Slavomir]
1915年、ポーランドに生まれる。大学で建築学を修めたのち、ポーランド陸軍騎兵隊中尉として侵攻してくるドイツ軍と戦う。1939年、ソ連軍の捕虜となり、強制労働25年の刑を受ける。1941年、西シベリアの第303収容所に送られるが脱走し、1年余りかけてインドに逃れた。第2次世界大戦末期にイギリスに渡り、同国の女性と結婚。2004年、波乱に満ちた生涯を閉じた
海津正彦[カイツマサヒコ]
1945年、東京・八王子に生まれる。早稲田大学政経学部卒業。翻訳家。学生時代から登山に親しみ、ヒマラヤ登頂の経験もある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カムイ
50
共産主義は理想だと思うのだがなぜ体制が独裁に傾倒してしまうのだろう、ソビエト連邦の出鱈目な裁判など後に崩壊する体制は今に至るのだが❗️主人公のスラヴォ(スラヴォミール氏)彼と仲間の七人の脱走劇である❗️そして途中少女と脱走を共にする。 過酷な逃走には涙する場面もあり死の縁をさ迷いながら南に一路目指しモンゴル、ゴビ砂漠、ヒマラヤとインドに到達、モンゴルとチベットの人々が親切で旅の一行達にもてなす行いは素朴ではあるが温まる思いがする。脱走の成功はある夫人の助力があったから達成出来たのだろう、今年のベスト本です2022/07/17
ななん
4
壮絶。最後に作者が言っている「人は自由を空気のように必要とする」、という言葉。泣かせる。2009/06/23
けいちゃっぷ
4
歩きも歩いたり6500キロ!「敵」とドンパチやるシーンは皆無だが、読ませます泣かせます感動させます。2007/12/02
yos
3
極寒のシベリアから灼熱のゴビ砂漠、さらに雪と氷におおわれたエベレストを超えインドにたどり着く。 歩いて歩いて歩いて歩く。倒れても倒れても、立ち上がる。その道は厳しく、辛い。力尽きて死んでしまった仲間を埋葬し、祈りを捧げ、そしてまた歩き出す。一緒に旅する仲間がいなければ、とうてい歩き通せる道ではなかったろう。それは自由を求める旅だった。地図も時計もない旅。距離も時間もあいまいなまま、意志の力だけで成し遂げた脱出劇だった。 時間にして1年余り、6500キロを踏破した奇跡の物語である。2006/02/23
goldius
3
全体主義国家と聖職者を批判し、生命を賛歌した人生のバイブル。2008/03/23