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内容説明
包帯で顔を隠して身を潜めるハリウッドスターのトッド。屋敷で待ちかまえていたのはカーチャと名乗る妖しげな黒髪の美女だった。カーチャはじつは往年の妖婦女優だった。だが、死んでいてもおかしくないはずのカーチャがなぜ美しいまま生きながらえているのか。疑惑を感じつつも、トッドは甘美で冷酷な背徳の世界に身をまかせる。一方、トッドの失踪を怪しんだファンクラブの会長タミーが独り屋敷に乗り込んでくるが、そこで目にしたものは、異形の怪物になりはてた過去のハリウッドの亡霊たちだった…。欲望と恐怖が交錯するバーカーの最新作。
著者等紹介
バーカー,クライヴ[バーカー,クライヴ][Barker,Clive]
イギリス生まれ。『血の本』シリーズでホラーの分野に新風を巻き起こして以来、『不滅の愛』、『ウィーヴワールド』などつぎつぎと話題作を発表し、ホラー作家としてスティーヴン・キングと人気を二分する。また、映画『ヘルレイザー』などの監督、脚本やゲーム作家としても活躍。自作の絵画100点あまりを収録したファンタジー『アバラット』も世界的に好評を博した。現在はパートナーである写真家のアームストロングと娘のニコルとともにカリフォルニアに暮らす
嶋田洋一[シマダヨウイチ]
翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ai
7
ハリウッドスターの重度の追っかけ女・タミーが、なんと心強いことか。強欲まみれのハリウッドの中で、一番正常な精神を持つ。グロテスクなダークファンタジーながら、ほろっとくる。バーカーの過去作も読んでみたくなった。2021/10/21
眠る山猫屋
3
再読。思いのほかホラーではないw 嫌いじゃないけど。トッドは思いのほか強く、女性二人は思いのほか相性が良く、カーチャは思いのほか“女性”だった。リリスは思いのほか恐ろしい存在ではなく、バーカーらしい宗教観は健在だった。思いのほか甘い展開は、それでも、嫌いじゃない。2011/04/14
YumiNya
2
下巻は怒濤の展開だった。タミーが素晴らしかった。登場人物達も疲れているけど、読んでいる私も疲れていてちょうど良かった。途中ぐちゃぐちゃでひどいのに、読み終わると美しかったな、などと思う。バーカーのいいところ。2015/04/01
アン・シャーリー
2
上巻と比べると、虚飾の女王・カーチャ・ルピの悪夢のような魅力が薄く、マクシーンやジェリーのような「ハリウッドの生き物」としか呼べない人間たちの生臭い魅力が強烈に書かれているように感じる。そしてトッドと、なんといってもヒロインであり物語を解決する主人公的存在であるタミー。初登場のときはタミーがこんな重要な役になるなんて思わなかったよ。上巻のエログロさから一転、過去や人生、そしてハリウッドの虚飾との和解が描かれた話だった気がする。でもグロい部分はやっぱりグロい。そして美しい部分はとても美しい。面白かったです。2013/06/16
fried_bogy
2
結構大詰めでは?と思えるシーンでまだページが余っており、どうなるのかな……と楽しみながら読んだ。久しぶりに本を一気読みした!2013/02/01